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» 2015年07月24日 08時00分 UPDATE

杉山淳一の「週刊鉄道経済」:青春18きっぷ、特例を廃止して値下げしないか (1/5)

この夏も青春18きっぷの利用期間が始まった。老若男女、誰もがJRの普通列車に乗り放題。JRにとっては閑散期の増収源、利用者にとっては旅のチャンス。長い目で見れば鉄道旅行層の拡大にも貢献する。しかし、ルールがフクザツになりすぎている。

[杉山淳一,ITmedia]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP


 もう青春18きっぷの話はしたくない。説明が面倒だ。じゃあ黙ってろ、と言われそうだけど、今回が最後のつもりで提案したい。でもその前の前書きが長い。まさしく説明が面倒なきっぷである。

 本コラムの前身となった連載「時事日想」で、何度か青春18きっぷに関する話を書かせていただいた。

 ざっくりとまとめると、青春18きっぷはなくならない。JRグループにとって年間数十億円の収入になるし、廃止すれば減収になる。それでも利用者の間では廃止の噂が絶えない。その理由は制限が周知されず、利用者が誤解し、鉄道職員が困っているから。その混乱を収拾するために、青春18きっぷを廃止して代替する新たなきっぷを開発する可能性もある。青春18きっぷを残したいなら、利用者に正しく理解してもらうために、JRグループやメディアは正しい知識を伝えるべきだろう……。

 しかし、正しい知識を伝えようとするほど、青春18きっぷは「面倒なきっぷ」という印象を与えかねない。特例や制限事項が多すぎるからだ。

 青春18きっぷを単純に「JR旅客会社の普通列車に乗り放題」と説明すればカンタンだ。実際の利用でも、ほとんどの人は困らないだろう。しかし、旅のコラムや鉄道のきっぷの記事では不親切だ。特例や制限、その例外をきちんと説明すると長くなる。なかなか旅の本題に入れない。「青春18きっぷの旅は楽しいよ」と書きたいけど、その前に「青春18きっぷは安いけどめんどくさいよ」という雰囲気になってしまう。

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