安倍さんが憲法違反をした理由は、米国が“親会社”だからスピン経済の歩き方(1/5 ページ)

» 2015年07月21日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

スピン経済の歩き方:

 日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。

 「情報操作」というと日本ではネガティブなイメージが強いが、ビジネスにおいて自社の商品やサービスの優位性を顧客や社会に伝えるのは当然だ。裏を返せばヒットしている商品や成功している企業は「スピン」がうまく機能をしている、と言えるのかもしれない。

 そこで、本連載では私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」を紐解いていきたい。


 俳優のつるの剛士さん(40)が安保関連法案について《『反対反対』ばかりで『賛成』の意見や声も聞きたいなぁ》とツイートをしたら叩かれた。

つるの剛士のツイートが“炎上”した

 「違憲な法案を賛成とか言っている時点でおかしい」とか「自民党から頼まれて世論誘導している」とフルボッコにされていたが、この程度の意見表明くらいも認めないという不寛容さはちょっと恐ろしい。

 事実、テレビや新聞はつるのさんが言うように「ハンターイ、ハンターイ」一色だった。国会前から中継しては「人がこんなに集まってます」みたいなレポートばかりを放映し、国会内では「お願いだからやめて」と涙ながらに絶叫をする辻元清美先生の姿を繰り返し報じる。たまに違う話題かと思ったら、宮崎駿さんなど著名人が安倍政権を批判、なんてニュースで正直もうお腹イッパイである。

 そんなゲップがでそうな「反対報道」のなかには、しっくりこないものも多い。例えば、野党が大騒ぎした「強行採決」だ。これまで国会で与党が単独で採決をしたことなど山ほどある。民主党もよくやって、心ある地方紙なんかは厳しく批判していた。

 民主党が衆院本会議や各委員会で強行採決を連発している。『必要法案を会期内に通すため」だという。(中略)野党時代の民主党は「審議を尽くしてこその国会だ」と主張し、与党の強行採決を強く批判してきた。19日からの行動は、まさに手のひらを返したような振る舞いと言わねばならない』(新潟日報2009年11月21日[社説] 国会強行採決 民主党も「数の力」頼みか)

 こういう姿を覚えているので、民主党のみなさんがプラカードを発注して、「戦争を止めるボクたちを、力でねじふせる自民党」という演劇世界を見せようと奮闘しても、なんだか演者下手なプロレスを観戦しているようで暗い気分になる。

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