痛みを感じるために必要な遺伝子を発見

» 2015年07月17日 11時37分 公開
[MYCODE]
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 私たちは、痛みを感じたり、熱いものを触ったときなど、とっさ手を引っ込め、自分の身を守ろうとします。

 「痛み」を感じる感覚は私たちにとって大切な能力で、痛みを感じることができないと怪我や腹痛など体の異常に気づくことができず、命にかかわる危険性もあります。

 遺伝的な原因により「痛み」を生まれつき感じることができない先天性無痛症という病気があります。英国では、およそ100万人に1人の割合で痛みを感じることができない人が生まれてきているそうです。

 ケンブリッジ大学やウィーン大学の研究グループは、先天性無痛症の11家族の人の遺伝情報を用いて、この病気の原因となっている遺伝子を探索しました。

 その結果、先天性無痛症の人ではPRDM12と名づけられた1つの遺伝子の10箇所で変異が生じていることがわかりました。

 次に、カエルの細胞を用いてこの遺伝子の機能を調べたところ、この遺伝子は痛みのシグナルを受けとる組織で働いており、この遺伝子が正常に働かなくなると神経細胞の発達に問題が生じることが明らかとなりました。

新しい鎮痛剤の開発に期待

 このPRDM12遺伝子は痛みを感じるために必須な遺伝子としては5番目に明らかにされた遺伝子です。これまでに、痛みの受容に関わる遺伝子の発見により鎮痛剤の開発に発展した例もあります。このため、今回の研究は、先天性無痛症の治療だけでなく、新たな鎮痛薬の開発につながるものと期待されています。

編集部より:

 本記事は自宅で遺伝子検査ができる「MYCODE(マイコード)」のサイト内で掲載している情報を転載したものです。

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