「5年後の理想の姿」を実現するのに、障害は何か?カテゴリーは3つ(3/4 ページ)

» 2015年07月17日 07時37分 公開
[今野誠一INSIGHT NOW!]
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準備が必要

 さて、こうしたマクロ分析を自分なりにしていくためには、そのための準備が必要です。

(1)新聞を熟読する

 私が若いころにやっていたことの1つに、新聞の熟読があります。今は、立場柄自分の自由になる時間がほとんどないので無理なのですが、若手社員にはぜひとも勧めたいと思います。

 見出しだけの漠然とした読み方では絶対に世の中のことが分かるようにはなりません。全部のページを読む時間が取れないのであれば、必ず読む面を決めて、その面は一言一句もらさずに熟読することです。その上で本当は、自分が興味を持った用語、分からなかった用語を書き抜ければ一番いいが、その時間がなければ、ひたすら読むだけでよいのです。

 最初は意味が分からなくて、興味が持てなくてつらい状態が続きますが、そこを我慢しきって3カ月ほど続けていると、不思議な体験をすることになります。山に登って下界の景色を見ていて、霧がかかっていたのが、サーッと晴れていくように、書いていることが理解できるようになってきます。

 そしてさらにしばらく続けていると、記事がストーリーを持って読めるようになってくる体験をします。ただし、書いてあることのすべてが真実のことかどうかは別問題です。情報操作があるかどうかは別として、情報源から数人を経た数次情報であるほど、真実から遠くなる。それを補うために、次の(2)の姿勢が必要になるのです。

(2)自分なりの情報源を持つ

 若いころあんなに熟読していた新聞を、一時一切読まなくなった時期があります。それは、あまりにも事実がゆがめられて書かれていることを感じたからです。なるべく、いろいろな業界にネットワークを作り、情報源を持つように努力してきました。その中には何人かの政治家の方や、通信社系の記者の方なども含まれています。

 新聞を読むことも大切ですが、人から生の情報を得ることもさらに大切なことだと言っておきたいと思います。若いころに出会う、営業先のご担当者や、よその業界に就職した同級生などは、いずれは重要な情報源となり、人脈となっていきます。

 情報源の作り方は、人によって得意、不得意の分野がありますが、自分なりのやり方でまったくかまわないのですから、少しずつ自分独自の情報源を作っていく努力をしてください。情報を得るチャネルが偏らないように、いろんな情報源をバランスよく持つように心がけることです。

(3)先を読む訓練をする

 情報は、得るだけでは本当に自分のものにはできないんですよね。「IN PUTしたらOUT PUTする」これが基本です。情報は人に伝えていかないと、不思議に自分にも入ってきません(洩らしてはいけない機密情報などは別)。得た情報を駆使して、誰かとディスカッションしてみることをお勧めします。

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