ところが、今大きな課題認識として持っているのは、ファストファッションへの対応です。そこで求められる観点は、多様性、スピード、値ごろ感で、YKKがこれに対応できるかというと、これまで歩んできた道とは真反対なので苦労しています。特にスピードが追いついていません。顧客が求めるサイクルで、矢継ぎ早に違うファスナー商品を世界中で供給できるかというのは現状難しいです。
今まで以上に納期が早くなるわけで、これがYKKにとって大きな挑戦です。オペレーションシステムを変えなければならないなど足の長いプロジェクトですが、何とか次につなげていきたいです。
もう1つ問題なのは、ファストファッションにおいてYKKというブランドがどこまで重視されているのかということです。かつての縫製業界では、バイヤー、デザイナー、生産担当者それぞれが、ファスナーといえばYKKを思い浮かべ、高品質という固定観念を持ってもらっていました。しかし、ファストファッションの方々にはその固定観念はなく、スピードや低価格という基準ではYKKは選択肢に上ってきません。この認識を変え、やはりファスナーといえばYKKだと思ってもらうことがこれからのチャレンジです。
大薗: 本日はどうもありがとうございました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング