既存のコーチングとは何が違う? アイディール・リーダーの考え方新しい考え方(後編)(2/4 ページ)

» 2015年07月10日 08時00分 公開

そもそも自分はなぜこの仕事をやっているのか

――その中には、いまやっていることを止めるという決断もあり得る。

永井: そうですね。一般的なコーチング研修などでは、あくまで会社からお金が出ていますから、会社のミッションは達成する、そのためのより良い上司になるという具合に範囲が限定されることが多いはずです。

 でも、私たちのアプローチは「そもそも自分はなぜこの仕事をやっているのか」という本質的なところから入ります。そうすると、まず今のミッションを本当に続けるべきなのか、もっとよいやり方があるのではないか、場合によっては早く止めてしまったほうがよい、という判断もあり得ます。

 例えば、ある分野で業界2位の海外ライバル企業を買収したい、でも自分の会社も相手の会社の経営陣もそれに反対している、といったケースでコーチングを引き受けたこともありました。その方は世界トップシェアの会社に異業種から社長として招かれたのですが、「不毛な価格競争を続けていては共倒れになる」という思いを、どのように自社そして他社に伝えて行けばよいのか悩んでおられました。コーチングではその経営者の想いを言語化することをサポートしたり、価格戦略をシミレーションするなどし、最終的にその経営者は買収を実現させ、圧倒的地位を業界内で得ました。

 われわれの門を叩く方は、既にいくつかの選択肢を持っていますが、今背負っているさまざまな役割もあって決めきれない、という方が多いのです。だから、私たちがより高い視座に一緒に登っていって、「そもそもあなたはこういう目的で生きてきた、そしてこういう影響を周囲に与えてきたいはずですよね」という自覚を改めて持ってもらうのです。そうすると「そうだな、やっぱりこっちだな」という決断は自ら下せるようになる。その過程で、リーダーからアイディール・リーダーへなっていただく、それが私たちの役割ではないかなと思っています。

Ideal Leaders株式会社を設立した永井氏

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