――どういうきっかけでTayoriというサービスが生まれたのか聞かせてください。これまでの事業の延長線上ですか? それともまったくの新規事業なのでしょうか。
山口: PR TIMESで、自分たち自身が使いたいサービスとして開発が始まりました。私たちが、サービスについて問い合わせを受けることが増えたというのが一番のきっかけです。リリースを配信したいという企業からの問い合わせが、けっこうあるんです。
――企業からの問い合わせって、どれくらい来るものなのですか。
山口: 1日20件くらいあります。PR TIMESのサービスについて話を聞きたいとか、すでに使っているけどもっと詳しく知りたいとか、そういう問い合わせですね。社員がそのたびに対応するわけですが、そのときのナレッジがストックされないんです。共有するのが難しい。これは良くないし不誠実だなと。これをなんとかしたいと思ったのが一番大きな理由です。
――メディアからも問い合わせもありますよね? 私もリリースを見て電話したことがあります。
山口: はい、もう一つの理由が、メディアや一般の人からの、プレスリリースの内容についての問い合わせです。企業の問い合わせ先が分からないからPR TIMESに問い合わせてくださるんだと思いますが、多分実際に問い合わせてくれるのはごく一部の人ですよね。ほとんどの人はあきらめちゃってる。
これって、すごくもったいないことだと思うんです。企業から見たら、お客さまの声を聞きそびれてるということ。企業がもっと近い存在になって、お客さまを助けられるようになったらいい。
ユーザーが企業に問い合わせる手段って、昔はハガキでした。少し前からはネットで問い合わせるようになっていますが、これはPCのネットなんですよね。でも今は圧倒的にスマホです。これからは「ネット=スマホ」になる。
――確かに、一般の方はそうだろうと思います。
山口: SNSなどで、自分のタイムラインに流れてくる情報とか、あるいは何か知りたくて検索してたどり着いた情報から、問い合わせ先を探すのってすごく大変です。PCならまだしも、スマホだとほんとうに難しい。画面は小さいし、ページの行き来もしづらいですし。
もう一つ、スマホのコミュニケーションって、メッセージアプリに流れていっています。それなのに企業サイトの問い合わせページって、昔ながらのフォームですよね。ユーザーはスマホシフトしているけど、企業とのコミュニケーションをスマホでとるのは難しくなっている。
こういう状況をなんとかして、生活者が企業に気軽に問い合わせられるようにすること、また企業から見たらお客さまの声を聞きやすくすること――これが、Tayoriが目指すものですね。
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