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» 2015年07月02日 08時10分 UPDATE

ご一緒に“おでん”いかがですか 2:やっぱりコンビニのデリバリーは難しい、これだけの理由 (1/4)

ローソンと佐川急便が組んで配達と同時にコンビニの買い物もできるサービス「SGローソン」を立ち上げた。少子高齢化による買い物難民や過疎化が現実のものとなった今、昔ながらの“御用聞きスタイル”は定着するか。

[川乃もりや,ITmedia]

著者プロフィール・川乃もりや:

 コンビニ本部で社員をして10年余り、いわゆるスーパーバイザーなるものを経験し、何を思ったか、独立オーナーに転身した。自分の仕事についての足跡を残すため、仕事の合間にオルタナティブ・ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」を執筆中。

 現在はオーナーを辞め、コンビニライター&アドバイザーをやっている。


ご一緒に“おでん”いかがですか(2):

 多くの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。決して大きなスペースではないが、そこで何が起きているのだろうか。陳列台にはたくさんの商品が並んでいるが、何が売れているのか、またなぜ売れているのか。コンビニの現在と過去を紐解きながら、ちょっとした“謎”に迫っていく。

 筆者は大手コンビニの本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?


yd_lowson2.jpg ローソンの玉塚元一社長(左)とSGホールディングスの町田公志社長(右)

 ローソンと佐川急便がタッグを組んで1つのサービスを立ち上げた。SGローソンだ。佐川急便が預かった荷物や、ローソン店舗などで販売している商品を周辺地域に配達する――というのが主なサービスだ。

 佐川急便の配達プラットフォームをローソンの店舗にすることで、配達地域の細分化を図るものとみられる。このビジネスモデルは、既に展開している佐川急便の「宅配メイト」を参考にしているはずだ。スタッフは自宅の周辺エリアのみを担当し、少量の荷物を配達している。将来的な労働人口の減少や、ネット通販市場の高まりなどを背景に、メインの配送力である「セールスドライバー」を補完する目的で生まれ、主婦層を戦力に取り込んでいる。

 また、不在を理由に届けることができなかった荷物をコンビニに置くことができる。それがどうしたの? と思われるかもしれないが、店舗に荷物を置くことによって再配達の手間や人員削減につながり、お客さんにとっても自分のライフスタイルに合わせた荷物の受け取りができることも、大きなメリットと言えよう。荷物のコンビニ受け取りについては既にアマゾンと提携しているので、大きなシステム追加にならないのでスムーズな展開になるだろう。

 今回のサービス追加のメインは佐川急便の配達利便性向上ではなく、「お買い物サポート」と呼ぶ商品のデリバリーサービスである。SGローソンの専任配送担当者(パーソナルアドバイザー)に電話注文することで、ローソンの店頭商品やネット宅配サービス「ローソンフレッシュ」の商品を配達してくれる。このサービスの最終形態は、佐川急便の荷物を配達すると同時に買い物の注文を受け、再度配達するという流れになり、大げさな言い方をすれば無限往復の可能性を秘めている。

 この“御用聞き”システムはコンビニ商品の配達だけとどまらず、「住まい・暮らしのサポート」サービスに拡大するようだ。SGローソンの狙いは言うまでもなく、コンビニをプラットフォームとし配達員を各家庭に割り当てることで、顧客囲い込みを目的としている。

yd_lowson1.jpg ローソンのオープンプラットフォーム戦略
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