マレーシアでキッズビジネスを拡大中! Jkids、人気の秘密は東南アジア発、気になるニッポン企業(1/3 ページ)

» 2015年06月25日 08時00分 公開
[野本響子ITmedia]

東南アジア発、気になるニッポン企業:

 いま、東南アジアが元気だ。かつては人件費の安さを背景に進出する製造業が中心だったが、現在では旺盛な個人消費にも注目が集まる。急成長する東南アジアを目指し、進出する日本企業、現地で起業する日本人の数も増え続けているのだ。本連載では、マレーシア在住の著者が、マレーシアを中心にして、東南アジアでローカル向けのユニークな事業を展開している日本企業、日系企業に、その経営戦略と展開計画を聞く。果たして、彼らの戦略は将来の日本にどのような影響を与えるのか。


野本響子氏のプロフィール:

 東京都立青山高校、早稲田大学法学部卒業。安田火災海上保険(現損保ジャパン)を経てアスキー入社。「MacPower」(アスキー)「ASAHIパソコン」「アサヒカメラ」(朝日新聞出版)の編集者を経て現在フリー。『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」する』(松井博著/アスキー新書)編集。著書に『いいね! フェイスブック』(朝日新聞出版)『マレーシアの学校の○と×アジア子連れ教育移住の第一歩』(Kindle)ほか。現在KL郊外に長期滞在中。マレーシアの教育事情などを書いたブログを更新中。


 2011年12月に第一号店を出して以来、店舗拡大を続けるユニークな企業がある。その名は「Jkids」。クアラルンプール郊外を中心に、数年で合計8店舗を展開し、2016年までにさらに4店舗の新規開店を目指す。最近でも話題の三井アウトレットパーク クアラルンプール国際空港 セパンに新店をオープンしたばかり。経営するのは26歳の日本人、木村希さんだ。

 コンセプトは「室内の公園」である。

 木村さんは、マレーシアで子どもたちの遊び場が少ないことを指摘する。「マレーシアは気温が暑く、また治安も良くないため、子どもたちは日本のように自由に外で遊ぶことができません。そこで室内で遊べる公園を作ろうということで第一号店を出しました」

 マレーシアでは大型のショッピングモールが次々に開店し、買い物の場だけでなく、人々の娯楽の場となっている。そこに広い店舗を持ち、砂場や遊具などを配置。子どもたちが室内で安全に遊べるように工夫した。また、隣にパーティールームを設置し、子どもたちの誕生日パーティーなどを公共の場でできるようにした。

 同様の室内型遊戯施設は以前からマレーシアに存在した。しかし同社の強みは特に幼児を対象とし、年齢制限も他社より低めに設定していることだ。なかでも収益の柱となっているのはパーティー事業だという。誕生日会などに利用でき、なかでも低年齢の親を中心とした集まりが多い。週末を中心にパーティールームはフル稼働で、ピエロを呼んだり、必要に応じた食事を提供したりという顧客からの要望にも応えている。

Jkidsを経営する木村希さん。弱冠26歳で会社を成長させ続けている
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