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» 2015年06月20日 09時00分 UPDATE

宇宙ビジネスの新潮流:ビッグデータ解析にゴミ掃除――活発化する日本の宇宙ベンチャー (1/2)

グローバルレベルで動きの早い宇宙ビジネス業界だが、このところ日本においてもさまざまなトピックスが生まれている。今回はその担い手である日本の宇宙ベンチャーの最新動向を紹介する。

[石田真康(A.T. カーニー),ITmedia]

 2014年末の小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げ時に、日本の宇宙ベンチャー企業の動向を紹介したが(関連記事)、ここ数カ月の間に具体的な事業化に向けたスケジュールやパートナーシップが見えてきた。今回はその最新動向を追いたい。

アジアの射場を目指す小型ロケットベンチャー

 インターステラテクノロジズ(代表取締役:稲川貴大氏)は堀江貴文氏らが創業した企業で、準軌道から低軌道までを視野に入れた炭化水素系の液体燃料小型ロケットの開発を進めている。同社は、2015年5月に経済産業省の委託事業である「平成27年度宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(民生品を活用した宇宙機器の軌道上実証)」にJAXA(宇宙航空研究開発機構)とともに選定された。

 実際、同社のロケットでは、構成部品は自社内製と民生品利用が中心で、一部電子機器には車載規格のものを採用しているが、いわゆる宇宙規格のものはほぼないという。現在、稲川氏を含めて7〜8人の体制を構えており、東京チームがアビオニクス(飛行のための電子機器)の開発を、北海道大樹町にあるチームがエンジンと機体の開発を行っている。

 2015度中には大樹町から準軌道までの試験打ち上げを行い、2016〜17年度をめどに量産化を目指すという。また、将来はエンジンの多段化で低軌道までを視野に入れる。稲川氏は「当面は、技術試験衛星や大学衛星の打ち上げや、企業のプロモーションやイベント用途の打ち上げがターゲットになる。世界には米Rocket Labなどライバルもいるが、将来的には年間30〜50機の打ち上げ回数を目指して、アジアにおける超小型人工衛星の打ち上げロケットとしてのシェアを獲得していきたい」と語る。

IoTを宇宙ビジネスで生かす

 2017年度末が期限の月面無人探査レース「Google Lunar XPRIZE」に参戦し、月面探査ロボットを開発中しているチーム「ハクト」(チームリーダー:袴田武史氏)は、2015年2月に中間賞獲得と打ち上げ計画の発表を行った(関連記事)。また、企業とのパートナーシップを発表した。大手航空宇宙企業のIHIとのスポンサー契約に加え、JIG-SAW(代表取締役:山川真考氏)との間にIoT(Internet of Things)パートナー契約を結んだ。

 JIG-SAWは2015年4月に東証マザーズに上場したIoTデータコントロールのベンチャー企業。自動検知、自動制御、遠隔監視などに強みを持つ企業だ。今回のパートナーシップでは、月面探査にかかわるデータコントロールやミッションサポート、および月面ローバーの自動運転、人工知能分野での共同研究などが掲げられている。

 今回のパートナーシップの将来性に関して、袴田氏は「NewSpaceIndustryでは、データコントロールが非常に重要になってくる。JIG-SAWとのコラボにより、その技術のプロフェッショナルと組み、開発を加速できる」と語る。山川氏も「Industry Internetの肝はデータコントロールであり、両者にとっても業界にとっても非常に意義深い提携だ」と語った。

JIG-SAWの札幌コントロールセンターをispaceが訪れたときの写真。右からJIG-SAWの山川代表取締役、ispaceの袴田代表取締役、中村COO、筆者 JIG-SAWの札幌コントロールセンターをispaceが訪れたときの写真。右からJIG-SAWの山川代表取締役、ispaceの袴田代表取締役、中村COO、筆者
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