ここでもう1つ重要な定義を見てみたいと思います。それはサービスの定義です。
「人や構造物が発揮する機能で、ユーザーの事前期待に適合するものをサービスという」
この定義の中には実に多くのポイントが隠されているのですが、今回のテーマに関連するポイントを紹介します。
それは「事前期待に適合するものをサービスという」という部分です。裏を返せば、事前期待に適合しないものはサービスと呼びませんよ、ということになるのですが、では何と呼ぶか? それは「余計なお世話」や「無意味行為」「迷惑行為」と呼ばれてしまうのです。
ここから分かるのは、お客さまに喜んでもらうために「良いサービスは喜ばれる」と思って勝手に作ったサービスには、かなりの割合で「余計なお世話」などが入り込んでしまうということです。言い換えれば、事前期待をつかまないとサービスは提供できない。事前期待をつかまないと、顧客満足は得られない。ということなのです。
これを理解しているかどうかが、顧客満足向上活動において、極めて重要なポイントになるのです。
これまでに見てきたように、顧客満足向上やサービス向上の活動のキーワードは、「お客さまの事前期待」です。ではこの「事前期待」というキーワードをどのように活動に取り込んだらよいのでしょうか?
やはり先ずは、事前期待を顧客満足向上活動の目標値として掲げるということです。つまり「いかにお客さまに喜んでいただくか」ではなく、「お客さまはどんな事前期待(※)を持っているのか」をつかみ、徹底的に議論するところから始めることが効果的だと思います。
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