「いかにお客さまに喜んでいただくか」は筋違い!?顧客満足度(1/4 ページ)

» 2015年06月19日 12時39分 公開
[松井拓己INSIGHT NOW!]
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 多くの企業で顧客満足向上(CS向上)やサービス向上の活動が進められている中で、いろいろと苦戦されている方が非常に多いようです。そこでこういった活動を進める上で重要にも関わらず見落とされてしまいがちなポイントを、サービスサイエンスの視点も交えて捉えていきたいと思います。今回はその1回目。「いかにお客さまに喜んでいただくか」という視点で活動を進めるのは実は筋違いだったという点を取り上げます。

 実際に顧客満足向上(CS向上)やサービス向上の活動を進められる企業が増えている中で、重要にも関わらず見落とされてしまいがちなポイントを、サービスサイエンスの理論を交えて捉えていきたいと思います。今回はその1回目として「いかにお客さまに喜んでいただくか」という視点で活動を進めるのは実は筋違いだったという点を取り上げたいと思います。

「いかにお客さまに喜んでいただくか」が筋違い?

 最近ではほとんどの企業で、顧客満足向上やサービス向上についての取り組みがされるようになってきており、今ではCS推進組織を設けている企業も珍しくなくなりました。当然のことながらサービス業のみならず、製造業や農業、金融業や公共サービスなど、あらゆる産業において顧客満足を高める活動は活発になってきています。早いところではもう何年も前から活動を継続しているケースも少なくありません。そんな中、「どうも効果が思ったように出ない」「何からどう進めたらよいか分からない」「現場任せで全社一丸になれない」など、苦戦されている声も聞こえてくるようになりました。

 そこで振り返ってみると、これまでのCS向上活動では「いかにお客さまに喜んでいただくか」という視点で議論されているケースが多いのではないでしょうか。実はこの「いかにお客さまに喜んでいただくか」という視点に、顧客満足向上活動のひとつの落とし穴があるのです。

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