トップ10
» 2015年06月16日 18時24分 UPDATE

迫る脅威:なぜ日本でデング熱が流行した? 国立感染症研究所・名誉所員の話 (1/3)

昨夏、デング熱に感染した患者が増え、市民の間で不安が広まった。では、今年はどうか。国立感染症研究所の名誉所員に、まだあまり議論されていない“問題”を聞いた。

[土肥義則,ITmedia]

 先週(6月8日〜6月14日)、ITmedia ビジネスオンラインで最も読まれた記事は『「日本は世界で人気」なのに、外国人観光客数ランキングが「26位」の理由』、次いで『JRの運転士が「水を飲んだら報告」だった理由』『クレジットカード一括払いに思わぬ落とし穴』でした。

 暑くなってきたので、「ぷ〜〜〜ん」と不快な音を出しながら飛ぶ、あの虫に注目している人が多いようです。4位に『蚊に刺されやすいかどうかは、生まれつき決まっているらしい』がランクインしました。昨夏、デング熱の感染が確認されたこともあって、「なんとなく蚊が怖いなあ」と感じている人も多いのでは。デング熱はなぜ日本で感染したのか。国立感染症研究所の医科学昆虫部で活躍されている小林睦生名誉所員の話を聞く機会があったので、Q&A形式でご紹介します。

日本とイタリアのヒトスジシマカは同じ仲間

yd_top2.jpg ヒトスジシマカ

Q: 蚊とはどのような生物なのですか?

A: 世界では約3500種類、日本には約120種類の蚊がいます。夜、蚊の「ぷーーーん」という音で睡眠を妨げられることがあるかと思いますが、日本ではアカイエカが家に入ってきて、深夜の2時〜3時ごろに刺されることが多いのです。昼間に刺されることが多いのは、デング熱の媒介蚊であるヒトスジシマカ。このヒトスジシマカは夜も活動していて、20〜21時ごろにも刺されることがあります。

Q: 米軍は日本の蚊について調べたことがあるということですが、本当ですか。

A: 本当です。戦後、米軍は日本に進駐してから約5年かけて、日本にどんな蚊がいるのか調べました。その報告書によると、ヒトスジシマカは栃木県の北部まで分布していました。いまは、岩手県の盛岡市を越えて、青森県と秋田県の県境あたりで確認されています。約20年後には青森県全域に、2100年には北海道の札幌市近郊まで広がる、と予測されています。

 ちなみに、ヒトスジシマカは日本から米国に“輸出”されました。そして、米国からイタリアに“輸出”されました。日本のヒトスジシマカとイタリアのヒトスジシマカは同じ仲間であることが分かっています。ではどうやって運ばれたのか。古タイヤの輸出が原因だと言われています。

 日本は古タイヤの超輸出大国。なぜかというと車検制度がからんでいるんですよね。車検の際に「このタイヤはもう使えないよね」となれば、交換しなければいけません。ただ、外国の人からすれば、まだまだ使えるタイヤが日本で捨てられていることになります。なので、輸入して使う。しかしタイヤには水が貯まりやすく、そこに蚊が発生しやすい。そうしたモノが世界に流通しているんですよね。

連載が本になりました!:

yd_sasaru.jpg

 本連載「水曜インタビュー劇場」の前身「仕事をしたら○○が見えてきた」が、『ササる戦略』(三才ブックス)というタイトルで書籍化されました。

 「なぜミニストップのソフトクリームは真似されないのか?」「50年以上前に発売された『スーパーカブ』が、いまも売れている理由」など、業界が注目する12社から“ヒットの法則”を紹介しています。

 ビジネス書が苦手……という人でも大丈夫。商品を開発した人はどのような苦労があったのか。その商品を売る人はどのような工夫をしたのか。マーケティングや消費者の行動などを分かりやすく解説していますので、オススメの1冊です!

 →『ササる戦略


編集部からのお知らせ:

 いつも「ITmedia ビジネスオンライン」をご愛読いただき、誠にありがとうございます。人気記事やオススメ記事、編集部員のコラムをお届けするHTMLメールマガジン「ITmedia ビジネスオンライン通信」をご存じですか? 週1回(水曜日)配信していますので、ぜひご登録ください。


       1|2|3 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

注目のテーマ