「earth music & ecology」がブランド名を“壊した”理由アパレルビジネス風見鶏(3/3 ページ)

» 2015年06月16日 08時00分 公開
[ふじいりょうITmedia]
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ブランド設立から15年が経過

 これまで、アースは駅ビルやファッションビル、ショッピングモールを中心に店舗を出店してきた。だが、レディス以外のアイテムを陳列するには坪面積に限界がある。そのために進めているのが、店舗の大型化だ。前述のイオンモール岡山の店舗は107.90坪。2014年10月に函館にオープンした路面店も100坪となっている。

2014年10月に函館にオープンした路面店

 アースでは、ロードサイドの路面店を「Living store」と名付け、全国の新興住宅エリアに年間10店舗ペースで出店していくとしている。米国で1990年代後半に登場した「ライフスタイルセンター」(LSC)をモデルにして、2015年9月に滋賀県長浜と石川県戸水にオープンする店舗では、スターバックスコーヒーと共同出店する。今後、同じ敷地内に出店する企業や店舗との共同イベントの実施を検討していくという。

2015年9月、滋賀県長浜と石川県戸水でスターバックスコーヒーと共同出店する

 「ユニクロ」や「ファッションセンターしまむら」など、ファストファッション勢が既に多数展開している中での出店で、車での移動圏内にあるショッピングモールとの差別化など、ロードサイドへの進出は課題も見え隠れする。

 それでも、ブランド設立から15年が経過し、既存のファン層が結婚や出産といったライフイベントを経ていることは十分に考えられる。「おしゃれで、環境にも配慮している」というアースのブランドカラーの支持を広げるために、性別や世代を越えるため、メンズアイテムや「食」など多様なジャンルに手を広げる必要があった。「music」を壊したCMも、そのようなブランドの変化も込められていたのではないだろうか。

 中村氏は「毎日の生活の一部に、アースと関わる何かがあるというライフスタイルを提案していきたい」と話す。その実現には、話題性のあるアイテム展開に加えて、どれだけ地域に密着した店舗づくりができるかがカギになりそうだ。

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