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» 2015年06月15日 10時00分 UPDATE

API公開でビジネスチャンスは無限大に:他社との「競争」から「協業」へ転換する一手とは?

経営環境が厳しさを増す中、さらなる事業成長を図るべく企業同士がAPIを活用したサービス連携を進めつつある。しかしながら、実現に向けてはさまざまな障壁があるのも事実。その解決策とは果たして――。

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 業種や規模を問わず、今さまざまな企業が自社サービスを他社サービスに連携させようとする取り組みが増えている。大きな目的は事業拡大にあることは言うまでもない。多くの日本企業にとってビジネスの主戦場が国内にとどまらず海外市場にまで広がる中、厳しい企業競争に勝ち残るためには、もはや自社だけで戦うことに固執する必要はないからだ。

 では、サービス連携とはどのように行うものなのか。その手段の1つがAPIと呼ばれるIT技術の利用である。APIとは「Application Programming Interface」の略称で、要するにアプリケーション同士を連携させるための窓口やインタフェースといった意味である。企業はAPIを公開することで外部サービスとの連携が可能になる。これによって新たな事業成長やビジネスモデル創出などにつなげていくという考えだ。

 このAPI活用は、欧米では2年ほど前から多くの企業において具体的なビジネス成果を上げてきており、日本でも徐々に盛り上がりを見せ始めている。和歌山県に本社を置くITベンチャー企業のM2Mテクノロジーズもその取り組みを推進する1社である。

 本稿では、M2Mテクノロジーズのチーフ・アーキテクトである菅原直樹氏と、同社のITビジネスパートナーである日本IBMの IBMシステムズ・ミドルウェア事業部 インテグレーション&スマータープロセス・テクニカルセールスで主任ITスペシャリストを務める石井陽介氏に、API活用の勘所やビジネスに与えるインパクトなどについて聞いた。

M2MテクノロジーズがAPI活用に踏み出したわけ

──まずM2Mテクノロジーズの事業概要について教えてください。

菅原氏 社名にある「M2M」が「Machine to Machine」を意味する通り、機械同士のデータ通信の技術をベースにさまざまなソリューションを展開しています。主力サービスは、人感センサーを使って独居高齢者を遠隔地から家族が見守る「絆-ONE」で、多くの自治体で採用実績があります。

M2Mテクノロジーズ チーフ・アーキテクトの菅原直樹氏 M2Mテクノロジーズ チーフ・アーキテクトの菅原直樹氏

──API活用に取り組み始めたきっかけは何ですか。

菅原氏 絆-ONEをはじめとした当社のサービスは、元々、地方自治体が主なユーザーだったのですが、少し前から民間企業が提供する地域ケアサービスにおいて採用される例が増えてきました。民間企業は自治体とは異なり、「サービスをカスタマイズしたい」「ほかの機器のデータも取り入れたい」「サービスを自社提供したい」とさまざまな要望を寄せてきます。こうした要望に応えながら地域ケアサービスの質を上げていくためには、個別対応していくよりは、当社のサービスのAPIを公開し、それを個々の顧客のニーズに合わせて使ってもらうやり方が効率的だと考えたのです。その結果、当社のシステムが各地域のケアサービスを結び付ける「ハブ」として機能するようになれば理想的だと思っています。

 その具体的なサービスプラットフォームが「M2M D’Hub」です。お年寄りの見守りサービス、そして健康管理サービスという2つのジャンルを設け、それぞれのサービスを細かい部品に分割した上で、APIを通じてパートナー企業に公開するというものです。サービスを細かく分割して「切り売り」することで、利用側はビジネスの中により柔軟に当社のサービスを組み入れることができます。その結果、パートナー企業のビジネスの価値が高まり、これまでリーチできていなかった顧客へのアプローチも可能になります。

 大企業であれば、そのような仕組みを1社だけで提供することも可能でしょうが、当社のような小さな企業ではとても不可能です。そこでM2M D'HubのようなAPIの仕掛けを通じて企業同士が手を組むことで、大企業のサービスに対抗することも可能になるはずです。

 現に当社もこれまでは競合関係にあった企業とAPIで互いのサービスを連携させ、補完し合うことで、新たなサービスの開発・提供を実現しようとしています。これからは、小さな企業同士で競争やつぶし合いをしていても、大手に淘汰されてしまうだけです。そうではなく、APIを使って競争から協業へと関係を進化させ、互いに価値を高め合えるようになれば理想的です。さらに、小さな企業で作ったサービスが、大企業に組み込まれるようになるとも考えています。

石井氏 M2Mテクノロジーズさんのこうした取り組みは、日本におけるAPI活用の典型的な導入パターンの1つだと言えます。すなわち、パートナー企業とのデータのやり取りをより密接にすることで、自社とパートナー双方でWin-Winの関係を築こうというものです。物流分野で多くのパートナー企業と連携している企業や、買物ポイント情報を店舗やパートナー企業と頻繁にやり取りする小売企業などでこうしたパターンの導入例が多く見られます。

一筋縄ではいかないAPI管理

──このほかには、どんな目的でAPI活用に取り組む企業が多いのでしょうか。

日本IBM IBMシステムズ・ミドルウェア事業部 インテグレーション&スマータープロセス・テクニカルセールス 主任ITスペシャリストの石井陽介氏 日本IBM IBMシステムズ・ミドルウェア事業部 インテグレーション&スマータープロセス・テクニカルセールス 主任ITスペシャリストの石井陽介氏

石井氏 スマートフォン、タブレットなどのモバイル端末を使って自社システムのサービスやデータを利用したいというニーズを満たすために、API公開に乗り出す企業が多いですね。ほかにも、出版業界やメディア業界の企業では、これまでにないイノベーティブな試みを打ち出して生き残りを図っていくために、新たなコンテンツ提供方法はないかなどとAPIの取り組みを模索する企業が日本では多いように思います。

菅原氏 サービスやデータをAPI化して公開すること自体は、APIの設計さえきちんとできれば、技術的にはさほど難しくはありません。そう思って弊社でも当初はすべて自前で取り組もうと思ったのですが、早々にあきらめました。なぜなら、単にAPIの窓口を作って公開するだけでは不十分だからです。実際には外部からのAPIに対するアクセスをうまく制御したり、セキュリティをきちんと担保したり、あるいは「どのAPIを誰が使っているのか」「どれだけの量のアクセスが発生しているのか」といったことをきちんと管理し、可視化する仕組みが不可欠なのです。こうした仕組みを自前で開発・運用するのは、まず不可能だと分かりました。

石井氏 APIの利用状況を監視して、その結果を分析・評価することで、どんなパートナー企業やユーザーが、どんなサービスやデータを欲しているのかが分かります。その結果を基にサービスの内容をブラッシュアップしたり、あるいはAPIをさらに改善したりといったPDCAのサイクルを回せるようになります。こうした点からもAPIの管理が重要なのです。

菅原氏 そのために当社が採用したのが、API管理システム「IBM API Management」でした。もし自社開発していれば到底実現できなかったであろうAPI管理の数々の機能が初めからソリューションとしてパッケージングされています。セキュリティ機能も充実しているため、開発者はセキュリティにさほど考慮せずにインタフェースを設計・開発するだけで、後はIBM API ManagementがセキュアなAPIとして公開してくれます。

効果はセキュリティ担保だけではない

──自社システムにせっかく「金になりそうなデータ」があるにもかかわらず、セキュリティ上の懸念があるためにこれを使ったビジネスになかなか踏み出せない企業も多いようです。

石井氏 何でもかんでもAPIで公開すればいいというわけではありません。データの重要度や特質に応じて、それぞれ公開の方法を変えるべきです。まず自社のコアコンピタンスに直結する重要なデータは、社内のみに公開する。それ以外のデータの中で、ビジネスに直結できそうなものについては、パートナー企業に限って公開する。さらに、不特定多数に対して公開できるデータは完全にオープンにすることで、誰かがそれを拾って新たなビジネスモデルを開発してくれるかもしれません。このように、APIで公開するデータを色分けすることが重要です。

API公開に伴って発生する周辺課題 API公開に伴って発生する周辺課題

──特定のパートナー企業に絞った連携ではなく、不特定多数に対して広くデータをAPIで公開している例というのはあるのでしょうか。

石井氏 カナダのウエストジェット航空の事例を紹介しましょう。同社サイトで公開していたフライト情報を、外部の旅行会社や販売代理店など第三者サイトが自動的にスクレイピング(Webサイトから情報を抽出するソフトウェア技術)していました。しかしこうしたやり方では、例えば、航空会社側がサイトのデザインを変更すると、第三者サイトのデータが反映されなくなるなど、さまざまな不具合が起きていました。

 そこでウエストジェット航空は、フライト情報を正式に公開する軽量なAPIを開発しました。これにより、データが反映されないことによるビジネスの機会損失をなくしたほか、サイトのトラフィック負荷も大幅に減らすことに成功しました。加えて、APIのクライアントをID管理できるようになったことで、どこのサイトがチケット販売に貢献したかというデータも可視化できるようになりました。

菅原氏 われわれが構築したM2M D'Hubでも、単に当社のデータやサービスを外部のパートナー企業に利用してもらうだけでなく、思いもよらないような新たなビジネスが生まれることを期待しています。APIビジネスを世界中に広めることが、当社にとっても事業成長の大きな可能性につながるはずです。

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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2015年7月14日

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