お菓子の新商品が、なかなかヒットしない理由水曜インタビュー劇場(お菓子公演)(3/6 ページ)

» 2015年06月10日 08時05分 公開
[土肥義則ITmedia]

高度経済成長&バブル期のお菓子

1962年に発売された「チロルチョコ」(写真はバラエティBOX)

松林: 1954年12月から1973年11月まで、日本は高度経済成長を経験しました。戦後、焼け野原で何もないところから世界第2位の経済大国にまで上り詰めていったわけですが、このころのお菓子メーカーはさまざまなチャレンジをしているんですよね。例えば、1962年に「チロルチョコ」(松尾製菓)、1965年に「柿の種」(亀田製菓)などが発売されました。

 また、芸能界に目を向けると、山口百恵さん、桜田淳子さん、森昌子さんの“花の中三トリオ”、郷ひろみさん、西城秀樹さん、野口五郎さんの“新御三家”が流行っていました。アニメ『ちびまる子ちゃん』の時代ですよね。家族みんなが居間にある一台のテレビを見ていたので、お菓子も“みんなで食べることができるモノ”が多かったんですよ。

土肥: 確かに大きな袋に入ったモノが多かったですね。

松林: 80年代に入って、松田聖子さん、中森明菜さん、田原俊彦さん、近藤真彦さんらが活躍されていました。80年代半ばにバブル経済に突入して、いわゆる“イケイケ”な雰囲気が漂っていましたよね。ボディコンが流行ったりして。

 お菓子の新商品をみると、このころは“おもしろいモノ”が増えているんですよ。例えば、1984年に「コアラのマーチ」(ロッテ)。普通のビスケットではなく、中にチョコを入れました。それだけではなく、コアラをプリントしました。

 同年に「カラムーチョ」(湖池屋)も発売されました。それまでお菓子といえば「子どもが食べるモノ=購入するのはお母さん」だったのですが、カラムーチョは若い男性をターゲットにしました。“ちょっと変わったお菓子をつくろう”といった動きが、業界に広がっていました。

70年代半ばから80年代半ばに発売された主なお菓子

発売年 メーカー名 商品名
1975 江崎グリコ コメッコ
1975 森永製菓 ハイチュウ
1975 明治製菓 きのこの山
1975 カルビー ポテトチップス うすしお
1976 江崎グリコ いちごポッキー
1976 ヤマザキナビスコ チップスター
1977 三幸製菓 雪の宿
1976 亀田製菓 ハッピーターン
1977 ロッテ ビックリマンチョコ
1978 ハウス食品 とんがりコーン
1979 やおきん うまい棒 サラミ味
1981 森永製菓 おっとっと
1983 ロッテ チョコパイ
1983 味覚糖 おさつどきっ
1984 不二家 カントリーマアム
1984 ロッテ コアラのマーチ
1984 湖池屋 カラムーチョ

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