映画界を変える団体「IndieTokyo」のすべて現代映画を考える(後編)(3/4 ページ)

» 2015年06月08日 06時00分 公開
[坂雄史Credo]
Credo

フラットでポップな団体を目指す

――IndieTokyoを立ちあげたときはどのような団体にしたいと思いましたか

大寺: IndieTokyoは間口が広く、ハードルが低くて入りやすいポップな団体を目指しています。いまはシネクラブに来るようなコアな映画ファンだけじゃなくて、ミニシアター自体も少なくなっているんだから、そちらの層に向けてもアピールするメディアを作らないといけないと思ったんですね。

 それまで僕は、シネクラブに来るようなコアな客層に向けて何かを発信する立場だと思っていたけれど、2011年以降、ミニシアターが危機的な状況であるのだからその部分もIndieTokyoで肩代わりしようと思いました。

――具体的にどういった活動から始めたのですか

大寺:まずはIndieTokyoのFacebookページを作って、World Newsというタイトルで世界の映画情報を発信し始めました。いまはそろそろ自分たちのメディアへ移行しようということで独自ドメインに移行しています。

 将来的には、World Newsとは逆に日本の映画の情報を海外に向けて英語で発信したいと考えています。

 日本と海外の垣根を超えて自由に交流しさまざまなな文化を生みだしていく基盤を作るための一つのステップになればと願っています。

――IndieTokyoでは他にどのような活動をしていますか

HomePartyでのトークの様子(左)、IndieTokyoHomeParty会場の模様(右)

大寺: 現在は海外の映画情報の発信の他に東京の老舗名画座・新文芸坐で講演付きの映画上映会「新文芸坐シネマテーク」を主催しています。

 これは新文芸坐のスタッフの人がたまたま僕がアンスティチュ・フランセ(※5)でやってきたようなシネクラブをやりたいということで声をかけてくれたんです。

(※5)東京日仏学院、横浜日仏学院、関西日仏学館、九州日仏学館が、2012年フランス大使館の文化部と統合してできた機関がアンスティチュ・フランセ。フランス政府公式の機関として語学教育や文化交流を支援している。

 ただそう言われたけれど、最初はシネクラブみたいなものではなくコミュニティーを作りたいと思っていた。シネクラブというのは基本的に一方的な場所なんですよね。トークがあってみんなが聞く。Q&Aなどはあっても、日本だとなかなか質問が出ない。

 そうじゃなくてもうちょっと双方向的に対話できるパーティのようなこともしたかったんです。そこでフラットな場所でお互いが映画について話せるような企画を考えて、5月から渋谷のライブハウスLast Waltzで毎月ホームパーティというイベントを開催し始めました。

Copyright © Credo All rights reserved.