世界で戦うために“やってはいけない”ことは? もっと「個」で行動しよう日米のビジネス事情の違いを知る(後編)(2/5 ページ)

» 2015年05月29日 08時00分 公開
[公文紫都ITmedia]

石渡: それにしても不思議なのは、どうして多くの日本人は、その希少価値を生かして個人で参加するのではなく、わざわざ集団で行動しようとするんですかね。SXSWはまさに典型例ですけれど、これだ! と思ったら団体ツアーを組んで行くなど、あの行動心理って何なんでしょう……。

関: そうしないと不安だからというのと、そうすることで得られる“メリット”があるからでしょう。もし私がSXSWの魅力にいち早く気づいた日本人で、ここはビジネスの場として生かせると判断したのだったら、あまり人に言わないでしょうね。だってSXSWに行ったら日本人が全くいなくて、日本人というだけでいろいろな話が来るんだったら、そんなにおいしいことはないですから。そこにわざわざ他の日本人と一緒に行くということは、その行為が自分にとっても“何かしらのメリット”があるんだと思います。

 ただツアーを組んでまで行くというのは、経済合理性があまりなさそうですよね。そういう意味で日本人は、少しインセンティブに対して鈍感な気がします。儲け話があります=儲け話じゃない、とよく言われるのは、本当はそんな儲け話を人に伝えるのはおかしいからなんです。

石渡: ツアーで行ってよいことって本当にないですよね。例えば工場見学ツアー。よく中国でやっていますけれど、集団で行ってツアーに参加しても、相手企業から名前を覚えてもらえないですし、それって行かなかったも同然かな……と。

関: 本当に目的が視察だけなら、それでもよいと思います。もっとも後からビデオを借りて、内容をチェックするだけで十分かもしれませんが。

石渡: そうです。集団で行くくらいなら、後からビデオを借りたり、参加者のブログを読んだりすれば十分です。そうじゃなくて1人で行って、一緒に現地の人と行動するから価値があるんです。40人くらいで行って、わーっと騒いで終わったのではもったいないですよ。1対1とか相手が家族連れでも構わないので、一緒に食事するから有意義な話ができるし、お互いのパーソナリティが分かります。

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