土肥: 先ほど「勝間さんの著書が売れた理由のひとつとして、時代の波にうまく乗ることができたことも大きい」と指摘されていましたが、女性の間で漫画化された本が人気というのも時代背景が影響しているのではないでしょうか。アベノミクスの成長戦略のひとつに「女性の登用」があります。この成長戦略を受けて、大企業を中心に女性登用の数値目標を設定しているところが増えていますが、働く女性の間にも「組織をどうまとめればいいのか」「部下とどう接すればいいのか」といったことを考えている人が増えていると思うんですよ。
今後もこうした層は増えていきそうなので、各出版社は「働く女性が読みたくなるビジネス書」にチカラを入れていくかもしれません。
苅田: ですね。最後に、これから流行りそうなビジネス書を紹介させてください。(1)会社よりも個人に着目した新しい働き方に関する本(2)ポストアベノミクス、低成長社会への備え方(3)新技術(人工知能、情報過多、IoT)との向き方――の3つですね。
土肥: 確かに、どれもこれもベストセラーが出てきそうですね。
苅田: (1)の新しい働き方について。既に海外では「新しい働き方」に関する本が増えているんですよ。世界的に広がりつつある中で、日本で働く人向けの本が増えてくるのではないでしょうか。なぜ増えるかというと、定年が伸びていく中で、ひとつの会社でずっと働き続けることが難しくなってきたから。会社のピラミッド構造から考えても転職をしなければいけない状況になってきました。
そうした環境の中で、「どこかのタイミングで自分は好きな生き方をしたい」「この期間は自分のために時間を使う」など、長い人生の中で自分にあった働き方を選ぶ人が増えるでしょうね。
土肥: 「65歳からの働き方」「70歳、最後の転職」といった本が、今後出てくるかもしれない。
苅田: かもしれませんね。
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