V字回復しつつある「クーリッシュ」のフレーバー展開が面白い水曜インタビュー劇場(アイス公演)(1/7 ページ)

» 2015年05月20日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
クーリッシュのバニラ(2015年春のパッケージ)

 アイスを片手で持ち、まるでジュースを飲むかのように楽しむ――。

 ロッテアイスが発売している「COOLISH(クーリッシュ)」は2003年に登場。当時、アイスクリーム市場の低迷が続いていて、同社はペットボトルに流れた消費者を奪還するために、持ち運びができるキャップ付きのチアパックを採用した。当初は首都圏のみで発売していたが、予想以上に売れ出荷制限に追い込まれる。翌2004年、全国展開に踏み切り、“常識破りのアイス”が広がっていった。

 その年、パリ国際見本市(シアル)で開催された「世界ヒット商品コンクール」で3冠を達成。中でも部門賞獲得製品の中から選ばれる「最高賞(グローバル・シアルドール)」はアジアの食品で初めて受賞した。

 破竹の勢いで市場を席巻していき、「クーリッシュ時代の到来」と思われたが、その勢いは長く続かなかった。これまでにない感覚のアイスクリームが登場したこともあって「ちょっと食べてみよう」という人は多かったももの、「もう一度食べてみよう」という人はそれほど増えなかった。

 2005年以降は売り上げが落ち込み、なかなか浮上するきっかけがつかめなかった。一時的な流行や現象で終わるかと思いきや、2009年からは再び上昇し、現在はV字回復に近づきつつあるという。他の商品に比べてアイスクリーム売り場はかなり狭く、他社との競争が厳しい中で、クーリッシュはなぜ復活しつつあるのか。ロッテアイスで商品開発を担当している北村考志さんに話を聞いた。

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