以上のことも踏まえ、「デキる男向けチョコ」の開発にあたっては3つの条件を満たしていなくてはいけないと思っている。
まずなによりも大事なのは、「手につかない」ことだ。つまみながらテキパキと仕事をこなすわけだから、溶けたチョコで手がベタベタになったキーボードや書類が汚れる。ただでさえ、仕事のストレスで手汗もかくのだからこれは必須だろう。
2つ目は「腹持ち」だ。やはり男性なので、ある程度食べた感のあるほうがいい。小さな粒では物足りない。といっても、チョコの塊が大きくなってもさすがにキツいので、クッキー的な焼き菓子の要素も欲しい。
そして最後が、「コーヒー」との親和性だ。
若い男性の甘いもの志向の背景には、喫煙率の低下があるともいわれている。かつて働く男の“ご褒美”といえば食後や仕事中に喫煙所へ抜け出して一服することだった。もちろんお供は缶コーヒーだ。が、ご存じのように近年、喫煙率は著しく低下。20代男性が10%、30代男性も13%と喫煙男子は過去のものとなっている。
じゃあ、缶コーヒーも飲まなくなっているのかといえばそんなことはない。確かに190グラムのショート缶はやや低調気味だが、安定しているのがボトル缶。なかでも400グラムのタイプが伸びており、これを牽引しているのが「ブラック無糖カテゴリー」なのだ。つまり、コーヒーが本来もっている苦みやコクみたいなものがウケている。
それは現在、大人気を誇っているコンビニ各社のカウンターコーヒーを見てもうなずけるだろう。仕事に疲れ、気分転換で入ったコンビニで、コーヒー豆の良い香りに癒されたという人も多いのではないか。コンビニで“甘いご褒美”を買う20〜30代男性にとって、このような本格コーヒーとマッチするというのも重要だろう。
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