この記事は佐藤昌弘著、書籍『日本一のセールスコンサルタント直伝 最高の営業デビュー 』(日本実業出版社)から抜粋、再編集したものです。
「ゴタゴタ言ってないで、まずはお客さんのとこ行けよ! 」
「営業なんてさ、あんまり難しく考えずに、とにかく現場に行ってみろ! 」
「どうせ、最初はうまくはできないんだからさ、転びながら成長していけばいいよ」
こんなセリフ、どの会社でも上司や先輩が言っている光景ではないでしょうか? 上司や先輩は「とりあえずやってみろ」というスタンスですが、当の営業を始めたばかりの人は「何が分からないかさえ分からない」と悩む声も少なくありません。さらに、いざ現場に出ても「流れや全体像が分からない」という声もあとを絶ちません。
本書では、誰でも今日から結果が出る5つのメンタルスキルと4つの営業スキルを紹介。新人営業マン、他部署・他社から営業に配属された人、営業マンを育てるマネージャー必読の1冊です。
前回は第一の営業スキルとして、「営業がすべき5つのこと」についてお話ししました。
次は2番目のスキル、「好印象の与え方」についてです。
「あの営業マン、なんか感じ悪いわね」
「あの営業の人、雰囲気が良くて印象がいいね」
などなど、お客さんは営業マンに対していろんな印象を持つものです。もちろん、印象が悪い営業マンよりも、印象の良い営業マンのほうが売れやすいのは言うまでもありません。
ところで、お客さんはどうやって印象を感じ取っているのでしょうか? 世の中には、「初対面で好印象を与える営業マン」が確かにいます。彼らは、初対面のわずかな時間で、何をどうしているのでしょうか?
そこで私は、好印象の理由を突き止めるために、通販番組の映像の制作を通して好印象を演出することができるのかどうか実験をしてみました。
この実験の目的は、「好印象を演出すると広告の反応は上がるのか?」というものです。もちろん勝算があってのことですが、実験では印象を構成する要素として次の3つを選びました。
この3つの要素について、意図的に「好印象」を演出して映像を制作しました。すると、過去の通信販売の売上と比較して1.4倍も伸びたのです。放送枠、時間帯、さまざまな組み合わせを考慮してもこの傾向は明らかでした。はっきり言って、1.4倍というのは驚異的な数字でした。
制作サイドが変更した3つの要素は狙ってのものですが、通販番組を観た人はおそらく何がどうというよりも、「なんとなく」好印象を抱いたはずです。
米国の大統領選挙におけるイメージ戦略や、マスコミによる「印象操作」という言葉を見るたびに、私は「営業マンもある程度は印象のコントロールができるはずだ」と感じていました。さらには「営業マンが好印象になると売上は伸びるはずだ」という仮説が自分の中ではありました。
その仮説を証明する実験には少なからず手間と費用はかかりましたが、この結果から「好印象は演出できる」と確信しました。
このメソッド化にはまだまだ時間がかかりますが、その一部はすでにノウハウとしてセールスのコンサルティングに取り入れています。
それでは、営業マンが好印象を与えるためのコツをいくつか紹介しましょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング