オリエンタルランド、10年で5000億円投資へ ディズニーシーに“アナ雪”テーマの新エリア

» 2015年04月28日 18時54分 公開
[ITmedia]

 オリエンタルランドが4月28日発表した2015年3月期の連結決算は、営業利益が3.4%減の1106億500万円だった。東京ディズニーランド・シーで1人当たり売上高が減少したほか、ホテル事業で客室稼働率の低下も響いた。今期はチケット値上げによる増収を見込む一方、大規模開発に伴う固定費増もあり、営業減益を予想している。

photo 業績推移

 売上高は前期比1.5%減の4662億9100万円。東京ディズニーリゾートの年間入園者数は3137万7000人と過去最高を記録したものの、開業30周年関連商品の販売終了などにより、1人当たりの単価は1.1%減の1万955円に低下、ホテル事業も客室稼働率の減少で減収。テーマパーク事業で商品・飲食原価率が増加したこともあり、営業減益に。

 最終利益は法人税等の減少から、前期比2.1%増の720億円と過去最高を更新した。

 今期は「ワンス・アポン・ア・タイム」「アナとエルサのフローズンファンタジー」が2年目を迎えるなどの要因もあり、合計入園者数は3.1%減の3040万人を見込む一方、4月のチケット値上げもあり、1人当たり売上高は3.7%増の1万1360円へ改善する見通し。ただ、大規模開発に伴う固定費増で2期連続の営業減益を見込む。

 通期予想は、売上高が0.9%増の4703億円、営業利益が4.1%減の1060億円、最終利益は0.2%増の722億円。

「美女と野獣」「ふしぎの国のアリス」など新設へ

 24年3月期までの10年間でテーマパーク事業に5000億円を投じる中期計画を発表した。東京ディズニーランドでは、ファンタジーランドの面積を約2倍に拡張し「美女と野獣」「ふしぎの国のアリス」など複数のエリアをオープンする。東京ディズニーシーでは「北欧」をテーマに新テーマポートを開発し、「アナと雪の女王」の世界観を体験できるエリアなどを設ける予定だ。いずれも導入時期は17年以降を予定している。

photo ファンタジーランドの新エリアイメージ
photo 「北欧」をテーマにした新テーマポートイメージ

 「テーマパーク価値の最大化」を掲げ、季節のスペシャルイベントの展開による低需要期の集客力の強化、訪日外国人旅行者の受け入れ体制の整備に力を入れる。舞浜エリア内で展開可能な新規事業をレジャー・エンターテインメント・教育事業などから検討し、ゼロからの立ち上げだけでなく、事業提携やM&Aも視野に入れる。

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