「EDIFICEの開発は、アナログウォッチとしてもともといろんな部品が組み込まれている中で、体積、面積を抑えるのに苦労しました。さらにメタルケースということで、金属が電波を通しにくいという点を技術的にクリアしています。デザインコンセプトは、力強さと大胆さを合わせ持つデザイン。新モデルはこのデザインを踏襲しつつ、スポーティーでシンプルなデザインとしました」
そう語ってくれたのは時計事業部モジュール開発部の西尾リーダーだ。「ユーザーターゲットは、20代、30代の若いビジネスマンです。海外の時間を意識している方、海外と国内を行き来し活動されている方を想定しています」EDIFICEはグローバル時代を生きる男のアイテムとして開発されたと言って良さそうだ。
また西尾リーダーは、スマートフォンと連携させた狙いについて「今回のEDIFICEは比較的若い男性層をターゲットにして開発しています。その世代の方はスマートフォンが必須アイテムになっています。そのスマートフォンと連携するということで、EDIFICEに親しみを持っていただけるのではないかと考えています」と話す。確かに若い世代では、腕時計をしない人も増えている。スマートフォンとの連携は、新しい時代のイノベーションの1つと言って良いだろう。
とは言え、スマートフォンと連携する腕時計というのは、スマートウォッチが市場に出回り始めた今、それほど珍しいものではないのも事実だ。連携する機能が「アプリで正確な時刻が取得できる」だと言われても、「それで?」と思う読者も中にはいるだろう。実際、筆者も現物を見るまではそうであった。しかし、EDIFICEのアプリは、なかなか「男の遊びゴコロ」をくすぐる演出とデザインが施されているのだ。
そのスマートフォンリンクのアプリのデザインを担当したのが、同社デザインセンターの三崎氏である。
EDIFICE独自の世界観を表現した専用アプリは、iOSとAndroid用に「CASIO WATCH+」(CASIO+)という名前で無償提供されている。このアプリをガイダンス通りに操作することによって、スマートフォンと連携して腕時計の針が設定したい国の時刻に正確に合うのだが、筆者が感動したのはワールドタイムの設定のマップの表示だ。
「そもそもリアルなGoogleマップを表示させるというアイデアがあったが、それでは細かい情報まで表示され(情報が多すぎて)分かりづらい。そこでドットにして表現してみました。ドットで表現することで、タイムゾーンの切り替わる位置がひと目で分かるように表現できています」と三崎氏は話す。アナログ時計と連携するマップがデジタルなドット表記というのは、単にクールなデザインだというだけではなく、機能性をも計算して決まっていたのだ。
また三崎氏はアプリのUIについて「アプリはEDIFICE各モデルで共通なのですが、接続をするとモデルごとに(アプリの)UIが変わります。カシオの時計は色んな性能を詰め込んだ“技術”の時計です。その技術を使いやすくするためのアプリでもあります」と語ってくれた。
なお、現在の対応はiOSとAndroidのみだが、市場の動向を見てWindows Phoneも対応したいとのことだ。
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