クロノグラフがスマホとつながる意義――カシオ開発者インタビュー“スマホとつながる時計“はいろいろ(1/3 ページ)

» 2015年04月26日 16時12分 公開
[甲斐寿憲ITmedia]

 2014年9月に登場した、スマートフォンとBluetoothで連携するカシオ計算機のメタルクロノグラフウオッチ「EDIFICE EQB-500」。4月24日、この腕時計の後継モデルとして「EQB-510」と「ECB-500」が発売された(参考記事)。両者は機能的には同等で、EQB-510は小窓もすべてアナログ表示、ECB-500はデジタル表示とのコンビネーションタイプとなっている。

EDIFICE EQB-510(左)とEDIFICE ECB-500(右)

 カシオはグローバル時代に適したアナログウォッチを開発する「Global Time Sync」というコンセプトのもとで商品開発を進めており、EQB-510とECB-500はいずれも、前モデルのEQB-500をベースに、ワールドタイム機能(日本と渡航先など、2都市の時刻を針で同時表示する機能)の使い勝手がさらに向上している。EDIFECEがどんな腕時計なのか、操作性についてはEQB-500を取り上げた記事で詳しく紹介されているので、そちらを参照していただきたい。

 →スマホと連携するクロノグラフ――カシオ「EDIFICE EQB-500」を使ってみた(参考記事)

 Apple Watchの発売などもあって、「スマートフォンとつながる時計」の注目度が上がっているが、カシオのアプローチはある意味、Appleとは真逆だ。なぜ、アナログウオッチをスマートフォンと連携させる必要があったのか。そして、EDIFICE EQB-510/ECB-500はなぜこのような商品になったのか? 商品開発と、スマートフォン側のアプリを担当したカシオのキーマン2人に話を聞いた。

一見普通のメタルクロノグラフだが、スマートフォンと連携して使えるのがポイント

スマホ連携機能で、現地の時刻を正確に変更する

 EDIFICEはソーラー駆動で電池交換不要、防水性能、スーツ姿にも似合う上質なデザインという「腕時計本来の価値」を保ちつつ、スマートフォンとも連携できるという機能を持つ商品だ(Android、iPhone用対応アプリを提供)。本体脇にあるBluetoothボタンをワンプッシュするだけでスマートフォンと連携する。

 連携して可能になる機能はいくつかあるが、中心となるのは世界各国の300都市のワールドタイム設定機能。通常、海外に行くときは腕時計のりゅうずを回すなどしてその都市の時間に腕時計を合わせるが、従来はそこがどのタイムゾーンなのかをユーザーが考え、自分で設定していた操作を、スマートフォンのアプリから操作するだけでタイムゾーンを判定(サマータイムにも対応)、自動的に針が動いて時刻修正ができる。

スマートフォンアプリで都市を選んで時計に送るだけで、その都市の時刻に修正される

 また、センターの時計針とインダイアルで2都市の時刻を同時に表示する「Dual Dial World Time」を採用しており、出張先と日本時間をひと目で確認できる。EQB-510/ECB-500ではこの二つの時刻を、時計本体からでもスマートフォンからでも簡単に入れ替えられるようになった。

時計のメインダイアルとインダイアルで、ホームタイムとワールドタイム(この写真では香港と東京)を同時表示。アプリのボタンをタップすると、針が自動的に動いて2つの時刻が入れ替わる
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