かつてのスーパースター・清原和博氏は、球界に復帰することができるのか赤坂8丁目発 スポーツ246(3/5 ページ)

» 2015年04月23日 08時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

ミスターの分析は言い得て妙

 とはいえ、本当に清原氏はこのまま球界と絶縁しっ放しでいいのか。現役時代にガムシャラなプレーと不屈の闘争心で我々に数多くの感動と勇気を与えてくれた男が、こんなさびしい晩年のままでいいのか。

 名門・PL学園で桑田真澄氏とともに「KKコンビ」として高校時代から甲子園で名を馳せ、プロ入り後は西武や巨人でも一時代を築いたことは熱心なプロ野球ファンでなくても知っている。

 個人タイトルとは無縁ながら清原氏が現役時代に記録した通算本塁打数525本は歴代5位で、あの松井秀喜氏を上回る数字だ。しかも通算サヨナラ本塁打12本は歴代1位。これは現役時代の清原氏がいかにファンを熱狂させていたかを証明する記録とも言える。

 豪快な言動や破天荒な私生活ばかりがクローズアップされているが、こと野球に関して清原氏はずっと実直で真摯(しんし)に向き合ってきた。2000年のシーズン中、当時の長嶋茂雄監督は彼のことをこのように語った。「いろいろ誤解されるが、根は真っ直ぐでクソ真面目。それに本当は弱くて寂しがりやだから等身大以上のことを周囲に見せようとしてしまうのかもしれない」と。

 このミスターの分析は言い得て妙だ。そんな清原氏だからこそ野球に対するひたむきさを前面に打ち出せば、ここまで培った自らの経験と生き様を後輩たちにしっかり受け継がせることもできるはずである。何とか更生して球界にカムバックしてほしい――。清原氏にそう願っている人は決して少なくないはずだ。

清原和博氏の成績(出典:日本野球機構)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.