サントリー食品インターナショナルは4月17日、今月14日に発売した清涼飲料水「サントリー 南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」の出荷を一時停止すると発表した。需要予測を見誤ったのが原因だとする。
当初ヨーグリーナは月間120万ケースを出荷する計画を立てていたが、このままだと190万ケースほど必要になりそうな注文ペースで、今後安定的な供給量を確保できないことから出荷休止を決めた。需要のピークを迎える夏までには出荷再開したいという。
供給体制の整備を急ピッチで進める。ヨーグリーナは山梨県にある同社の南アルプス白州工場と、委託パートナーの工場数カ所で生産。白州工場では既に生産ラインを増設し、5月には本格稼働する予定だ。
今回の出荷計画は、昨年発売した「サントリー 南アルプスの天然水&朝摘みオレンジ」の実績をベースにした。同社広報部によると、朝摘みオレンジの1.5倍の需要予測を立てたが、それを上回る売れ行きだったという。
需要想定が不十分だった原因として、「ソーシャルメディアなどによる情報拡散のスピードが速く、新商品のCMや広告を出してから消費者が認知するまでのリードタイムが今までと比べて短くなっている」(広報部)にもかかわらず、それを加味した対応ができていないという。今後は全社で商品需要の情報共有を強化するなど、より緻密な予測データを作りたいとする。
同社は今月2日に発売した「レモンジーナ」についても同様の理由で一時出荷停止している。レモンジーナに関しては、4月末に限定的に出荷し、売れ行き状況を見ながら5月中旬に本格的な再開を予定するが、場合によっては6月以降にずれ込む可能性もあるという。
相次ぐ新商品の出荷停止は同社の株価に影響するのか。SBI証券 投資調査部 シニアマーケットアナリストの藤本誠之氏は「マイナスの影響はほとんどない。むしろ商品開発力の評価が高まっている」と述べた。サントリー食品の4月17日の終値は5370円で大きくは落ち込んでいない。
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