宅配は大手だけではない! 自転車を駆使して稼ぐエコ配進化する物流ビジネス最前線(2/2 ページ)

» 2015年04月17日 11時00分 公開
[伏見学ITmedia]
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都市型のロジスティクスを

 それに向けた施策がユニークな人材活用である。現在、全拠点で約500人の配送スタッフを抱えているが、宅配業界全体で人手不足が叫ばれているように、エコ配でも人材確保は喫緊の課題である。新卒社員の採用を続けていく一方で、主婦や学生などが空き時間を有効活用して働ける仕組みを作っていきたいとする。

エコ配の片地格人社長 エコ配の片地格人社長

 例えば、都内で買い物の合間にちょっと時間が空いたので、エコ配の営業所に行き、荷物を運んでアルバイト料を貰うといったイメージだ。「小型の荷物しかないので女性でも運べるし、自転車なら運転免許もいらない。誰もが空き時間を使って気軽に働けるようにしたい」と片地氏は話す。

 もう1つ、既に取り組んでいるのが、シングルマザー/シングルファザーの支援である。そうした社員には育児手当として第1子に月額1万円、第2子以降には月額5000円を支給する。将来的には託児所を設けるなどして、長く仕事を続けれるような職場環境を提供する。

 「労働人口が将来さらに減少する中、正社員以外の労働力が重要になるのは間違いない」(片地氏)

 今後のビジネス展望について、片地氏は「世界で類を見ない都市型のロジスティクスを実現する」と意気込む。人員を増やすことで今以上に配送スタッフ一人当たりの担当エリアを小さくし、その分、顧客に対するサービスレベルを高める。「担当エリアのことは隅から隅まで知り尽くして、顧客のどんな要望にもすぐに応えられる“御用聞き”ビジネスを展開したい」と片地氏は語る。

 まずは東京23区で完璧なロジスティクスを作り上げることに専念する。現状では海外進出や国内で営業地域を広げる予定はないという。一般消費者向けの宅配サービスも行っているが、引き続きB2Bを主力に事業を伸ばしていく考えだ。

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