カズ引退勧告で大炎上! “困ったOB”は張本氏だけじゃない赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2015年04月13日 10時42分 公開
[臼北信行ITmedia]

ぞんざいな態度に閉口

 現代スポーツの監督、コーチには選手との相互理解を持つ関係性が求められる。それを許容できる姿勢がなければマネジメント能力があるとはいえず、チーム内に忠誠心も生まれない。「ID野球」の提唱者で、かつてヤクルトスワローズや楽天イーグルスなどを率いた名将・野村克也氏が指揮官時代に次のような言葉を口にしていたのを思い出す。

 「自分はジジイで昭和の人間だが、生涯勉強家。預かっている選手を納得させなければいけないから、野球理論は今も勉強している。そしてもちろん選手がどういうタイプの人間であるかを把握し、理解することも大切だ。(自分は)よく“ボヤきの監督”と評されているようだが、ただそれだけでは絶対にいけないと肝に銘じていますよ」

 野村氏のような考え方をプロ野球界の古株たちが全員持っていればいいのだが、悲しいことにそうではないのが現実のようだ。実際に筆者もある古参の野球評論家X氏と接した際、その余りのぞんざいな態度に閉口させられた経験がある。

 以前、古巣チームの春季キャンプを訪れたX氏に同行取材した時のことだ。X氏はそのチームで伸び悩む若手の主力野手を見つけると、打撃ケージ裏で何を思ったのか突然叱り飛ばし始めた。内心で「余計なことはやめてください」と思っていたはずのチームスタッフは古参OBのX氏を気遣う余りに何も言えず、その様子を黙って見ているだけ。X氏から「気合が足りない」「オマエはボールに向かっていく姿勢がない」とさしたる説得力もないまま技術についての説明抜きでガミガミ言われ続けた若手はすっかり萎縮して逆に極度の打撃不振に陥ってしまい、その後は開幕一軍の座を逃してしまったのだから本末転倒だ。

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