コラム
» 2015年04月09日 11時00分 UPDATE

10年分の志望企業ランキングが映し出す、就活生たちの姿 (1/3)

毎年、就活に関するさまざまなデータが公開される中、注目されるのは「志望企業ランキング」。今回は、この10年を通して学生の志望度が安定していた業界、および経済指標などとの関連性が見られるかどうかについて考察する。

[深澤祐援,Credo]
Credo

就活本格開始から約1カ月

 例年より3カ月遅く、3月開始になった今年の就活。企業説明会や面接が解禁されて1カ月経ちますが、リクルートスーツに身を包み、せわしなく歩く就活生の姿をよく見かけるようになりました。

 就活に関しては、毎年さまざまなデータが公開されます。中でも注目されるのが「志望企業ランキング」ではないでしょうか。この手のランキングはさまざまな媒体によって調査・発表されますが、いずれにせよ「1位は三菱商事だった」「今年はトヨタが順位を下げた」など、個別の企業の結果や前年との比較が語られるばかりで、なかなかそれ以上の議論に発展してはいないようです。

 そこで本稿では、過去10年という長いスパンで、とくに業界単位での就活市場の動向をグラフ化し、俯瞰(ふかん)することを試みました。明らかにしたいのは、志望企業ランキングは単なる「企業イメージの人気投票」ではなく、ある程度「世相を反映したもの」なのかどうかということです。

 まずは、この10年を通して学生の志望度が安定していた、あるいはしていなかった業界について見ていきます。さらに、各業界をまとめ、経済指標などとの関連性が見られるかどうかについて考察していきます。

※「志望企業ランキング」について:今回用いた志望企業ランキングは、大学生を対象とした2004年から2014年までのもの。2004年から2010年まではリクルートワークスが発表していた“採用ブランド調査”からデータを取得。2010年以降はリクルートがランキングの発表を中止したため“みんなの就職活動日記”(運営:楽天)に掲載されているランキングを使用。
 業界の分類は、みんなの就職活動日記における分類表を用いています。それに基づき筆者が企業ごとのカテゴライズを行った。
 用いた業界名は、
都銀・信託・外銀, 医薬・化学・化粧品, 機械・電機・材料, 証券・投資, 情報処理・システム, トラベル・航空・運輸, 建設・住宅・不動産, テレビ/ラジオ, 通信・ネットワーク, 人材, 繊維・アパレル , インフラ・官公庁, 広告, ホテル・レジャー, コンサル, 生命保険・損害保険, 食品・農林・水産, 総合商社・専門商社, 出版・教育
の全19個。
 以降のグラフで用いられる数字は“ランキング中にその業界に属する企業が何社あるのか”を表したものとなる。

10年を通じて不変的な業界

 まず注目するのは、10年を通じて比較的変化が少なく、常に志望企業が多い業界です。筆頭に上がるのは、食品・農林・水産業界です。中でも、食品に関わる企業はランキングでの出現頻度が非常に高いものになりました。

ks_rikunabi01.jpg

 棒グラフの値はランキング中にその業界に属する企業が何回出てきたか――いわば、その業界の人気度を表わしています。つまり、食品関連業界はこのように、常に人気を保ち続けてきたと言えそうです。

 この10年間で私たちを取り巻く経済状況はめまぐるしく変化してきましたが、年経過による変化がほとんど見られないこの業界は、それだけ私たちの生活と長く密接に関わっており、経済的にも安定した馴染み深い企業が数多く存在していることを表していると考えられます。

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