グルメサイト第3世代「Retty」――ポイントは実名投稿とスマホ重視ぐるなび、食べログの“次”のサービス(2/5 ページ)

» 2015年04月02日 08時00分 公開
[吉岡綾乃ITmedia]

ユーザー数急増に効いたのは「まとめ」

――なるほど。具体的にはどのようなことをしたのでしょう。

武田: 「まとめ」ニーズって非常に強いんです。「デートで使えるお店○選」とか、「エリア別ジャンル別○選」みたいなまとめページは非常によく見られる。

――エリア別ジャンル別というと、たとえば「新宿でカレーがおいしい店10選」みたいな感じですね。

武田: そうです。キュレーションコンテンツというんですかね。簡単にお店を探したいというニーズは非常に強いので、こういったニーズに沿って簡単にお店を探せる、「探すのが大変!」という悩みを解決できるページは非常によく読まれるんですね。

 それで、Rettyでもまとめページを作り始めたんです。本格的にやり始めたのは2013年の10月からですから、まだ半年ちょっとしか経っていないですが、これが効きました。お店を探している人たちを引きつけるために、「築地、寿司」「新宿、カフェ」「渋谷、ラーメン」「六本木、デート」みたいなまとめページを数百個作りました。

――ああ、分かります。Rettyのまとめページは非常にSEOが効いていて、検索するとかなり上位に来ますよね。

武田: そうなんです。まとめページでRettyを知ったという方は多いはずです。まとめページは本当によく読まれて……たとえば「新宿にあるハイセンスなおしゃれカフェ人気20選」などのページは、1カ月で数十万PV行きます。

capt Rettyのユーザー数急増には、まとめページが貢献した。まとめページはさまざまな地名、ジャンル、シチュエーションで用意されている

――まとめページはすべて社内で作っているんですか?

武田: 社内でも作っていますが、一部は外部の人に依頼してまとめてもらっています。もともと、まとめページを作るきっかけとなったのが、Rettyで2012年4月に行った「まとめ王選手権」という企画なんです。これが非常に好評で、「またやってほしい」「まとめたい」という声が多かったので強化して……それが先ほど話した、まとめページ(の量産)という方針につながったんです。

――まとめをつくるコツはなんですか?

武田: 先ほどの「地名、ジャンル」もそうですが、それに加えて「利用シーン」を意識してまとめたページが人気がありますね。たとえば、「元商社マンが教える六本木のデートで使えるお店15選」。これは実際に元商社マンにまとめを頼んだものなんですが、非常によく読まれています。

Rettyのおすすめの使い方

――私自身がRettyを一番使うのって、外出先、それもあまり詳しくないところにいるときに「この近くに何かおいしいお店ないかな」というときなんです。まずはスマホでRettyを起動して、現在地から近いおすすめの店を探し、いくつか口コミを見てよさそうなところへ行ってみる……という使い方。Rettyは口コミしている人が本当にグルメというか、おいしいもの好きなんだろうなあという人が多くて、Rettyで探したお店はたいてい外さないのがすごい。

 「現在地を入力して近所のお店を検索」という点に限れば、似たことができるアプリはほかにもあるのですが、近くにあるお店で良さそうなところに目星を付けて、おすすめポイントはどんなところで……といった、そのときユーザーが知りたい情報をRettyは探しやすいと思います。行くお店が決まったら、どこにあるのか地図を表示するわけですが、このあたりも使いやすい。無駄なステップがなくて、短時間で使えるところがすごくいいなと思っているんです。私は大抵こうやって使っているのですが、武田さんがおすすめするRettyの使い方があれば教えていただけますか?

武田: 最近、アプリの最新版をリリースしたので、それに沿って説明しますね。Rettyは「信頼できる人のおすすめからからお店を探す」ということを大切にしていて、それを体験しやすくなるようにしています。

最新版Rettyアプリの画面。自分が信頼する人からお店の情報が探せるようになっている

――例えば、スマホで「渋谷 イタリアン」のように検索する人は多いと思いますが、Rettyで同じような検索をするとどうなりますか?

武田: 渋谷 イタリアンで検索したら、結果はかなり多くなりますよね。その結果をどう見せるか。Rettyでは、自分のつながっている人、例えばFacebookの友だちとか、Retty上でフォローしている人とか、そういうつながりの強さを見ています。「自分は誰を信頼しているのか」というロジックで、信頼している人、つまりつながりが強い人からの情報を重視して、上に出すようにしています。

――つながりの強さは、どうやって見ているのですか?

武田: 今はRetty内の行動が中心ですね。「いいね」や「行きたい」をよく付けているとか、コメントを書いたとか。将来的にはFacebook上の行動も反映していきたいです。Facebook上でよくいいねやコメントを付けている人はつながりが強い人、ということですね。

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