グルメサイトといえば、おそらく多くの人が思い浮かべるのが「ぐるなび」、そして「食べログ」ではないだろうか。
最近、筆者が最も注目しているグルメサイト(アプリ)が「Retty」だ。グルメアプリの第一世代をぐるなび、第二世代を食べログやYelpとするならば、「グルメサイト第三世代」と呼んでいい人気サービスである。
外食の記録を写真と文章で投稿する食べ歩きユーザーが多く、ユーザー間でSNS的につながりができ、彼らが投稿した情報を閲覧するユーザーが集まる……という構造のRettyは爆発的にユーザー数を増やし、今や日本最大級の実名制グルメサービスに成長した。2011年にサービススタートし、2015年3月にはユーザー数700万人を突破。急成長したRettyの強さはどこにあるのか? ユーザーが急増した理由は? Retty株式会社の代表取締役、武田和也氏のインタビューをお送りする。(聞き手:吉岡綾乃)
――まず最初に、Rettyを知らない人のためにサービスの特徴を説明してください。Rettyにはお店についての口コミ情報を投稿する人がいて、それを自由に見ることができる。投稿には専用アプリを使いますが、情報そのものはWebでも見られます。いわゆる口コミグルメサイトという意味では「食べログ」と似ていますが、Rettyの他サービスとの違いはどこでしょうか。
武田: Rettyの基本コンセプトは「信頼できる人からお店を探すサービス」です。どこの会社でもいますよね、グルメというか、おいしいお店にすごく詳しくて、「今度○○な集まりがあるんだけど、いいお店があったら教えてくれない?」と相談されるような人。Rettyはああいう人に相談するのと同じようなことを、ネット上でできるようにするサービスなんです。
――投稿する人は、ハンドル名ではなく、実名で投稿するという点も初期から強調されてますよね。Facebook的というか。実際にFacebookと連携して使っている方も多いです。実名にこだわる理由はどこなのでしょうか。
武田: 書いている人が実名だということによって、書いてある内容に責任感や信ぴょう性が担保されます。だって、自分の本名が出ていて、Facebookにもつながっているとしたら、適当なことは書けないですよね。安易な悪口とか。また「この人は趣味があうな、信頼できるな」という人を探すという点でも、実名制というのは非常にいいんです。
――アプリの開発・改善にも非常に力を入れていますよね。Android版、iPhone版ともに頻繁にリニューアル、機能追加がされている印象です。スマホに力を入れているという面はありますか。
武田: サービス開始当初から、PCからスマホへのパラダイムシフトが起こると思って賭けていました。
――今、規模はどれくらいですか?
武田: 先日、ユーザー数700万人を突破しました。2011年6月にリリースしたので4年弱ですね。現在投稿されている口コミは150万件くらい、掲載されている店舗は国内で60万店くらいです。ユーザーは30〜40代で年収が高め、外食が好き……という方が多いですね。平均世帯年収が700万円以上の方が全体の3分の1以上いらっしゃいます。スマホからのアクセスが8〜9割、残りがPCで見ている人ですね。
――身の回りを見ていて、最近急にユーザーが増えたなという印象なんです。実際にはいかがですか?
武田: 実は1年半前までは80万人だったんですよ。そういう意味では確かに最近急増しています。
――1年半でユーザー数が9倍! ものすごい伸びですよね。何が効いたのですか? あるいは大きな方針変更があったとか。
武田: 最初の2年は「口コミが投稿しやすいように」ばかりで、お店を探す機能が少なかったんですね。投稿する人のためのサービスになっていました。そこで、「(Rettyを)見る人」「お店を探すサイト」へ方向転換を図ったんです。
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