ニュース
» 2015年04月01日 18時45分 UPDATE

設備投資もマイナス:製造業DIは先行き悪化 日銀短観

日本銀行が企業の景気業況を発表。前回調査と比べて全体のDIは上昇したが、大手製造業は横ばい、先行きも悪化するという。

[ITmedia]

 日本銀行は4月1日、2015年3月の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、全企業規模ではプラス7と、前回調査の2014年12月から1ポイント上昇した。ただし、設備投資については2015年度の計画でマイナスと厳しい状況だ。

 日銀短観は3カ月に1度行われる企業の業況調査のこと。今回は2015年2月25日〜3月31日の期間で、大企業および中堅・中小企業合わせて全国1万1126社を対象に実施した。DIに関して、全体では前回から好転したものの、大企業製造業は横ばいのプラス12、3カ月後を示す「先行き」はプラス10と悪化すると見ている。中堅企業ならびに中小企業の製造業でも同様の傾向が出た。

製造業の業況判断推移(出典:日本銀行) 製造業の業況判断推移(出典:日本銀行)

 設備投資計画にも影響が出ている。2015年度の計画で大企業全体は前年度比1.2%減、中堅企業は同2.3%減、中小企業は同21.2%減と大幅に下げている。

 明るい話題もある。売上高について、大企業製造業は2014年度に対前年度比1.2%増を見込んでおり、2015年度も同0.6%増と計画する。特に円安の影響で輸出部門が伸び、2014年度で同3.5%増、2015年度は1.6%増としている。また、2015年度の経常利益は1.3%増、純利益は0.1%増を計画している。

 有識者のコメントは以下の通り。

楽天証券経済研究所の土信田雅之シニア・マーケットアナリスト

 4月1日の株式市場では、日経平均株価が節目の1万9000円台を割り込んでしまう場面があるなど、下落という形で反応した。日銀短観の結果が期待外れだったことが原因という見方が多いようだ。

楽天証券経済研究所の土信田雅之氏 楽天証券経済研究所の土信田雅之氏

 株式市場がネガティブ視したと思われる日銀短観の具体的なポイントは、(1)大企業製造業業DIが市場予想(プラス14)を下回ったこと、(2)プラスを見込んでいた大企業の15年度の設備投資計画がマイナスだったことの2点が挙げられる。

 設備投資は2008年のリーマン・ショック以降、毎年期初となる4月発表の調査分では減額見通しになることが多い。米国の金融政策の動向や中国の景気減速懸念などを踏まえると、今回も「最初は様子見で」という企業の姿勢が表れたと考えられる。

 設備投資を細かく見ていくと、大企業製造業が前年度比5.0%増、非製造業が同4.1%減となっているが、非製造業のDIは予想のプラス17よりも改善してプラス19という結果だった。円安進行が一服したことや原油安によるコスト減、訪日外国人によるインバウンド消費などが寄与したと思われる。

 そのため、日銀短観の結果は株式市場の反応ほど悪くはないと言えそうだが、3月の株式市場は、日本経済の楽観シナリオを先取りして、日経平均が2000年以来の2万円目前まで上昇した。急ピッチな上昇によって、期待先行の株価の上昇ペースと実体経済の改善ペースとの間にギャップが生じつつあったと考えれば、期待が先行していた分、下落幅も大きくなったと言えそうだ。

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -

ITmedia 総力特集