「経理・決算の人材が不足」……小僧寿しが開示した驚きの「重要な不備」

» 2015年04月01日 15時14分 公開
[ITmedia]

 「適切な経理・決算業務のために必要かつ十分な専門知識を有した社内の人材が不足している」──持ち帰り寿司の小僧寿し(JASDAQスタンダード)が明らかにした「重要な不備」が投資家を驚かせている。

photo ラーメン店にも進出=同社サイトより

 同社が3月31日に開示した「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ」。内部統制上の不備が財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いとして公開した。

 それによると、同社は「適切な経理・決算業務のために必要かつ十分な専門知識を有した社内の人材が不足」しているのだという。

 また一部の債権・債務計上に関連し、業務システムで処理した仕訳データを会計システムに取り込む際に手作業で補正が必要だったが、「担当者退職の際の引継ぎ漏れや財務経理部員の人員不足に起因して、その補正仕訳手続きが適正に実施されていないことが発覚」したとして、適切なプロセスに則った処理が行われていないことを報告した。

 こうした不備は「決算処理を適切に遂行するための能力及び経験を有した社内の人材の補充」ができず、同期末までに是正ができなかったという。

 これに対応するため、1月には「経理・決算業務のために必要かつ十分な知識を有した人材」を1人採用。さらに2カ月以内をめどにさらに採用を増やすとしているが、上場企業の「財務経理に携わる人材の不足」がこうした形でつまびらかになるのは異例のことだ。

 同社は3期連続の営業赤字に沈むなど業績不振にあえいでおり、経営も迷走。昨年8月には今後の経営方針を株主や客などから広く公募すると発表して話題になった。新たにラーメン店業態への進出を明らかにし、今年6月までに50店舗を出店する計画だが、外食各社が苦戦する中、成否は不透明だ。

 4月1日の同社株価終値は前日比2円安の110円。時価総額は32億7300万円。

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