面接の場では大抵、「最後に何か質問はありますか?」と聞かれます。その際に、面接官の個人的な意見を聞いてみるのもおすすめです。
例えば、「なぜあなたがこの会社で働きたいと思ったのかを教えてください」とか、「もしあなたがこの会社のセールスだったとしたら、会社のことを一言で何と伝えますか」といった質問です。その瞬間は意外な顔をされることもありますが、皆さんよく考えてちゃんと答えてくれるものです。先輩や上司の転職理由や、そこで働く人たちが会社をどう見ているという話は企業研究の参考になります。事前のリサーチでは分からなかった企業の本質も見えてくるでしょう。
同時にこのような質問は、あなたがその会社で働くことを深くイメージしたいのだということを相手に伝えるアピールにもなります。
また、面接で聞かれなかったために言いそびれてしまった自分のアピールポイントを、質問の形に変えて伝えることもできます。例えば研修制度について「私は前社で○○のプログラムを○カ月間受けて、自分のスキルを上げ、このような結果を出したことがあります。御社でもできれば研修を受講して新しい仕事にチャレンジしたいと思うのですが、どのようなプログラムがありますか」といったように、自分の成功事例を交えて質問するのです。
すると、どんな研修プログラムがあるのかをただ聞くよりも、はるかに意欲的な人材に見えるでしょう。会話のキャッチボールが重視される英語面接の場では、分からないことがあれば最後まで待たずに質問するのもいいと思います。もし不安があれば、「質問があれば適宜お聞きしてもよろしいですか」と最初に伝えておきましょう。
外資系企業でも、経験やスキルが求められる基準よりも少し低めなのに採用される人がときどきいます。そういう人に共通するのは、自分に自信を持っているということです。
自分の能力が多少不足していても、何事にも「できます、やります、やりたいです」と答えるタイプの人。とりわけ外資系企業では、そうした強い意欲のある人を採用する傾向があるように思います。
私は語学力を身につけることで、世界をどんどん身近に感じることができるようになりました。初対面の人に「8カ国語が話せる」ことを伝えると皆さんとても驚きますが、実は語学は覚えれば覚えるほど“つながり”が見えてくるため、次の新しい言語はスムーズに習得できるようになります。
1つ目の外国語を学ぶことは大変ですが、1つ目よりも2つ目、2つ目よりも3つ目の外国語のほうが、より早いペースと正確な発音で身につけられるでしょう。例えばアジア圏は、シルクロードを通じて言葉もつながったため、中国語の影響がそこかしこで見受けられます。広東語とタイ語が似ていたり、ベトナム語やカンボジア語も数字の数えかたは中国語がベースだったりと関連している点が多いです。またヨーロッパでも、英語とフランス語とスペイン語などでは、発音が異なるだけでスペルは同じといった言葉がたくさんあります。
一見、ハードルが高いと思われがちですが、語学は知れば知るほどあなたにとっても身近なものになるはずです。ぜひ恐れずに、ビジネスの場でも積極的に活用してみてください。
新条正恵
1978年生まれ。英国の高校、米国の大学に留学。外資系企業で12年間勤務し、外資系銀行でヴァイスプレジデントを務める。転職5回、海外勤務の経験もあり。
2014年に独立し、現職は約1カ月で受講者がバイリンガルになる短期集中型完全オーダーメイド・プライベートレッスン講師、企業向け語学研修コンサルタント。多言語サロン「マルチリンガル・クラブ」主催。約2時間で参加者の9割が英語を話すようになる外国語読書会「Multilingual Read for Action」開発者。
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