2013年9月、京都府は北近畿タンゴ鉄道の上下分離化と運行会社の公募方針を発表した。北近畿タンゴ鉄道によると応募は4社あったという。審査の結果、2014年5月にウィラーアライアンスに決定した。これは北近畿タンゴ鉄道が求めていた「経営体質の改善」「安全・安心への対策」「観光・まちづくりと一体となった鉄道再生」の各条件について、求めた以上の提案を成し、実現の可能性を説得したからだ。
ウィラーアライアンスは、新興高速路線バスの最大手のウィラーエクスプレスと高速路線バスなどの予約業務を担うウィラートラベルを擁する企業グループである。2社を合わせて「ピンク色のウィラーバス」として知られている。このグループ内に、新たに鉄道事業会社のウィラートレインズが加わり、同社が京都丹後鉄道のブランドで北近畿タンゴ鉄道の運行業務を引き継ぐ。
経営体質の改善については、ウィラートラベルの実績である「Webによる発信力」が挙げられる。ウィラートラベルはバスの予約と運賃の決済をオンラインで行う。このノウハウが京都丹後鉄道の企画切符や観光列車の予約サービスなどに生かされる。
観光・まちづくりと一体となった鉄道再生についても、ウィラーアライアンスは鉄道事業だけではなく、地域全体の交通体系の見直し、国の地方創生政策を利用した企業誘致、その範を示すためにウィラーアライアンスの業務の一部を転入させるという意気込みを示した。
これらについては、2015年1月29日に「WILLER TRAINS」の事業説明会で発表された。詳しい内容は次回にゆずるとして、もう1つ、事業説明会では触れられなかったことで、北近畿タンゴ鉄道が大きく評価した部分がある。3つ目の安全・安心への対策だ。そのキーワードは「安全管理の科学化」であった。
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