VAIO Phone発表で日本通信の株価が急落シンプルすぎる端末(2/2 ページ)

» 2015年03月13日 02時00分 公開
[Business Media 誠]
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なぜ日本通信株は売られたのか

 GoogleのNexusシリーズに代表されるように、余計なアプリがインストールされていない、“素”のAndroid端末は、実は非常に使い勝手が良い。そのため筆者個人の感想としては、VAIO Phoneのような端末が日本企業の名やブランドで販売され、日本市場でも注目されるようになるのは、決して悪いことではないと思う。

 ただ問題は、VAIO Phoneはあくまで日本通信の製品であり、VAIOは「デザイン協力」しただけという事実が世間にはほとんど伝わっていないということだ。端末を開発・製造しているのはVAIOではないから、同社の本来の持ち味である高密度実装技術や放熱技術も生かしようがない。

プリインストールされているのはAndroid標準のものだけ(左、中)。ロック画面もシンプル(右)

 同社のスマートフォンへの取り組みは今回あくまで第1弾である。今後、もし本気でVAIOがスマートフォンを開発したら、非常に凝った作りの端末や、AndroidではなくWindows PhoneがVAIOブランドで出てくることもありうる(発表会後の囲み取材ではVAIO関取社長は、それらの質問を否定しなかった)。

 ただ、実際に今回登場したVAIO Phoneはあまりに「フツー」の端末すぎた。世間が“VAIO”という名前に期待するものは「それじゃない」ということなのだろう、期待値と実際に出てきた端末のギャップが大量売りにつながった。日本通信株の急激な下がりぶりは、逆説的に言えばそれだけ、みんなのVAIOブランドへの期待を表している、とも言えそうだ。

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