――缶コーヒーが普及した要因として「自販機のイノベーションによるところが大きい」と話されました。今は昔ほど缶コーヒーが生活に溶け込んでいないということでしょうか?
高岡: コンビニがここまで増えると、さまざまなビジネスチャンスが広がってくる。なので100円のコンビニコーヒーが生まれたことに、私は驚かなかった。というのも、とある会社の社長から「ネスレさん、手伝ってほしい」と相談を受けていたからだ。ただ、断わってきた。なぜなら「ウチはブランドにならない商品は出さない」と考えているからだ。
大事なのは、Product Availability(製品入手可能性)をどうしたらいいのかということ。「ここでないと飲めない」といった環境にならないと、ブランドは根付かない。
――消費者からは「ネスレの缶コーヒーは好きだったのに……」といった声があります。一部の缶コーヒーはネット上で販売するということですが、今後力を入れて販売する可能性はあるのでしょうか?
高岡: その可能性は残されていない。弊社は自社工場を持っていないので、いま提携しているサプライヤー(商品製造業者)さんに少量でもつくっていただいて、「ネスレの缶コーヒーが欲しい」というお客さまに、少し高い値段でも買っていただけるのであれば供給していく。ただ、ビジネスモデルを変えてまで「缶コーヒーをやる」という考えはない。
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