日立製作所が研究開発の組織再編 利益を創出する体制に顧客起点

» 2015年02月27日 18時35分 公開
[Business Media 誠]

 日立製作所は4月1日付けで研究開発の組織体制を刷新する。国内外にある複数の研究拠点を3つの統括本部およびセンターに再編する。大きな狙いは顧客との関係性強化による利益創出だ。

研究開発の新体制 研究開発の新体制

 現在の中央研究所、日立研究所、横浜研究所の国内3研究所とデザイン本部および海外研究拠点を、「社会イノベーション協創統括本部」「テクノロジーイノベーション統括本部」「基礎研究センタ」に再編し、研究開発を推進する。

 新設する社会イノベーション協創統括本部は、東京、北米、中国、欧州のセンターの研究者が、顧客と課題を共有し、新たなソリューションを協創するフロント組織である。テクノロジーイノベーション統括本部は、国内3研究所を1つの統括本部に統合し、技術分野ごとに9つのセンターから構成。ソリューションに必要な技術基盤の強化や技術の融合、革新的製品の研究開発に取り組む。基礎研究センタでは、長期的視点で最先端技術の研究開発を進め、技術基盤の創生を図る。

 再編の目的は、研究者が顧客とともに課題解決のソリューションを作るという、顧客起点型の研究開発体制を確立することだ。現在、日立の研究者の人員数は全世界で2600人、研究開発投資額は年間3500億円に上る。これまでも研究者が顧客と連携するようなことはあったものの、一部に限られていたり、あるいは継続的な活動はできていなかったという。「研究開発部門としてもROIを意識して事業利益を生み出すように、今後は組織として顧客との関係を強化していく」(同社広報)としている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.