トレインブライダルはときどきローカルニュースで報じられる。それは珍しさの裏返しだ。なぜなら、実際にやろうとするとかなり面倒で、個人の手配では困難だから。今までに報じられた例も特殊で、例えば、2013年の山手線一周ウェディングトレインなどは、JR東日本の「みどりの山手線」タイアップイベントとして、鉄道の日の10月14日に開催されている。
ローカル私鉄でも新郎新婦の企画したブライダルトレインが開催されている。これらも、列車の貸切運行制度を利用しつつ、好意で特別な対応に応じてくれる鉄道会社と個別に交渉して実施にこぎ着ける。人前式までは対応できても、車内で宴会まで含めると難易度はさらに上がる。新郎や友人たちが奔走して、手探りで苦労して実施までこぎ着けている。ドラマなどでウェディングプランナーという職業が紹介されているけれど、彼らもトレインブライダルのノウハウは持っていないだろう。経験者が少ないからだ。
SLブライダルトレイン・パッケージプランは、そんな悩みや手続きを、すべて鉄道会社と旅行会社が請け負ってくれる。プロポーズした。OKもらった。では結婚式の手配だ。SL結婚式がいいぞ、旅行会社に電話しよう。これですべてが動き出す。結婚式場を予約する感覚でトレインブライダルの手配ができる。結婚を考えている人だけではく、ブライダル業界にとっても、サービスの選択肢、提携先として心にとめておくと良さそうだ。
このノウハウを蓄積して、全国のローカル鉄道がブライダルプランを用意すると、少子化に歯止めがかかり、地方再生に貢献するのではないか。バブル時代の結婚式場はゴンドラ&スモークが流行っていたようだけど、これからはトレインブライダルだ。
鉄旅 OF THE YEARの知名度は旅行業界で上昇しつつあるけれど、一般にはまだこれからという状況だ。しかし、旅行業界にとどまらず、企画力・実行力のコンテストという意味で、ビジネスマンにも参考になるところが多いと思う。
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