キリンビールの戦略は? クラフトビールに期待3分で分かるビジネス戦略(1/2 ページ)

» 2015年02月12日 06時00分 公開
[Business Media 誠]

 Business Media 誠では、売り上げを伸ばしている成長企業や、話題の商品・サービスを提供する企業など、さまざまな業界で注目を集めている会社を中心に、各社のビジネス戦略を知るための連載をスタートします。初回の「LINE」に続いて、2回目は「キリンビール」。

新しい価値を創造していきたい

海外でも「一番搾りフローズン」がよく売れているという

――現在の市場環境についてご説明ください。その環境をどのように受け止めていますか。

 少子高齢化や嗜好の多様化といった大潮流を背景に、1994年以降ビールの微減傾向が続いていますが、近年は消費税増税などを背景とした消費の二極化の拡大、本物志向や手作り感重視の「こだわり消費」の傾向、健康志向の一層の高まりなど市場環境は変化しています。

 そうした中で、例えばビールであればクラフトビールの展開などのほか、発泡酒・新ジャンル、機能性商品、RTD(低アルコール飲料)の各カテゴリーでキリンならではのアプローチで新しい価値を創造していきたいと考えています。

――直近の決算の数字をどのように受け止めていますか。

 2月が年間本決算になるので確定的なことは申し上げられませんが、直近四半期の状況で言えば、キリンビールは、増税後の対応や夏場の天候不順によりビール類ではマイナスになりました。しかし「淡麗プラチナダブル」のヒットや、「一番搾り」のプラス着地など良い兆しが多数見えており、これを確実なものにすべく2015年は一層のブランド強化に向け活動していきます。

――海外事業について教えてください。どの国・地域が好調ですか。その要因なども教えてください。

 世界約40カ国でフラッグシップブランドである「一番搾り」を展開しています。発展途上の中国、台湾、韓国などの東アジア各国、シンガポール、タイなどの東南アジア各国など既存市場は好調。特に中国、韓国、香港の伸びが著しくブランドの成長に貢献しています。

 また「一番搾りフローズン」を、世界12の国と地域で約400店も展開しています。その見た目、食感の斬新さに、日本同様に評価が高く、取り扱い店舗も拡大しています。

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