どんな機能が搭載されている? シャープ、振り込め詐欺対策用の電話機被害額559億円(1/2 ページ)

» 2015年02月05日 19時54分 公開
[ふじいりょう,Business Media 誠]

 シャープは2月5日、振り込め詐欺対策の7つの機能を搭載したファックス「UX-AF90CL/CW」と、電話機「JD-AT80CL/CW」を発表した。発売日はファックスが2月27日、電話機が3月13日で、いずれもオープン価格。また、東京足立区の65歳以上の100世帯に無償で貸与し、2015年4月から9月までの半年間で社会実験を実施する予定になっている。

ファックス「UX-AF90CL/CW」(左)、電話機「JD-AT80CL/CW」(右)

 振り込め詐欺対策のファックスと電話機は、電話帳に登録されていない番号から着信があった際に自動メッセージで録音している旨を伝え、名乗るように促す「自動通話録音」「自動聞いてから応答」や、電話帳に登録されていない番号からの着信を赤いランプで知らせる「あんしんLED」、非通知からの電話を自動で拒否できる「非通知お断り」といった、不審な相手の通話をあらかじめ出なくする機能を搭載している。

 このほか、電話帳に登録されていない番号に対し通話後に注意を呼びかける「通話後声かけ」、今後の着信の許可・拒否を分類する「かんたん通話後番号設定」、家族や警察・自治体などあらかじめ登録された相談先にワンタッチで電話がかけられる「あんしん相談ボタン」を装備。これらの機能は全てオンの状態で出荷・販売される。また、大型のディスプレイの採用やボタン一つで音量を大きくできるボタンを搭載しており、高齢者を意識した設計になっている。

 振り込め詐欺対策用の新製品を出した背景には、被害者と固定電話の購買層がほぼ一致していることが挙げられる。2014年度の警察庁の調査によると、振り込め詐欺の被害者は70歳以上が68.1%、60歳代が17.0%となっており、50歳以下は14.9%に過ぎない。また、女性が81%を占めるという。特殊詐欺の被害総額は約559億円に上り、過去最悪の数字だ。

 一方、シャープの調べでは固定電話の購入者は70歳以上が42.8%、60歳代が30.9%と合わせて7割以上になる。デジタル情報家電事業本部の辰巳剛司部長は「振り込め詐欺の対策を徹底的にすることが社会的にも求められている」と話す。

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