41歳のイチローは「外野4番手」? まだ決まっていない赤坂8丁目発 スポーツ246(1/3 ページ)

» 2015年02月05日 08時00分 公開
[臼北信行,Business Media 誠]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


 マーリンズ・イチローが正式に誕生した。1月29日に東京都内のホテルで行われた入団会見にはイチローをはじめ、デビッド・サムソン球団社長、ダン・ジェニングスGM、マイケル・ヒル運営部長が同席。一緒に来日した最高責任者のジェフリー・ローリア・オーナーも含めてマーリンズの球団幹部5人が41歳のベテラン控え野手の新たな船出にスケジュールを合わせ、地球を半周した。ここまでVIP待遇を受けるクラスの選手はレギュラーが保障されている大物メジャーリーガーといえども、なかなかそういない。

 現状を考えれば、イチローは「4人目の外野手」でバックアップ要員。マーリンズの外野陣は今オフに13年3億2500万ドル(約383億1000万円)で契約延長したナ・リーグ本塁打王のジャンカルロ・スタントンが右翼、ゴールドグラブ賞を受賞したクリスチャン・イェリッチが左翼、23本塁打&85打点という長打力と堅守を兼ね備えるマーセル・オズナが中堅でほぼ確定と見られている。そういう立場に置かれていることをイチロー自身も把握しており、会見でも独特の表現を交えながら次のように述べていた。

 「4番目の外野手であるというのは想定内のこと。なかなか3番目、特に米国では40(歳)を超えた野手にポジションを与えるということは……。その時点でカットされる。年齢を見ただけでね。そういう傾向がありますから、4番目というのは何の問題もないことで……。3番目を望むというのは、そんな自分はどうかなと思いますけどね」

 確かにマーリンズの正外野手と目されるスタントン、イエリッチ、オズナの3人の実力はメジャーリーグ全体で見てもトップクラスだ。しかし、これで「正外野手決定」と断じてしまうのは、もしかして早計かもしれない。というのも、前出のジェニングスGMを直撃すると興味深い言葉が飛び出したからである。

 「まだスプリングトレーニングも始まっていないのに、レギュラーメンバーを決めてしまうのはメディアの悪いクセだ。まだ我々のチームは、どのポジションもメンバーが決まっておらずフラット(まっさら)な状況。それはチームスタッフも同じ考えだよ。つまりイチローが狙うポジションも同じくフラットであり、競争に勝てば当然レギュラーの座をつかめる。我々はそれだけの力が彼にあると確信しているからこそ、こうやって海を渡って来たのだ」

マーリンズに加入したイチローは「外野4番手」に甘んじるのか(出典:マイアミ・マーリンズ公式Webサイト)
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