インタビュー
» 2015年02月04日 13時25分 UPDATE

大手航空会社の傘下でないと難しい?:LCCのビジネスモデルとは――Scoot CEOインタビュー (1/3)

最近の日本では経営の難しさに注目が集まることの多いLCC(格安航空会社)。LCCビジネスのポイントとはどこなのか、急成長を続けるシンガポールのLCC「Scoot」のCEO、キャンベル・ウィルソン氏にインタビューを行った。

[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 Scoot(スクート)という航空会社をご存じだろうか。シンガポール航空の子会社で、シンガポール・チャンギ空港をハブ空港とし、オーストラリア、タイ、中国、台湾、香港など、アジア・パシフィックで長距離国際線を運航するLCC(格安航空会社)だ。日本へは現在シンガポール−台北−成田便が1日1便飛んでおり、2015年はもう2便、日本路線が増える予定となっている(大阪と名古屋だと見られる)。

 また2013年には、タイのLCCノックエアと共同で「ノックスクート」を設立。タイ、フィリピン、ベトナム、インドなど、アジアを中心にネットワークを拡大している。

 ScootのCEOであるキャンベル・ウィルソン氏は、ニュージーランド出身で現在はシンガポール在住、元シンガポール航空の日本支社長だった人物である。フルサービスキャリアとLCCの両方を知るキャンベル氏に、Scootについて、そしてLCCビジネスについてインタビューした(以下、敬称略)。

ay_scootceo01.jpg Scootのキャンベル・ウィルソンCEO。ニュージーランド出身で現在はシンガポール在住、Scoot入社前はシンガポール航空の日本支社長だった
ay_scoot02.jpg Scootの就航都市(共同運航を含む)。同じくシンガポール航空系のタイガーエアやタイのノックエアなどと提携し、アジアパシフィックに大きくネットワークを広げている

親会社・シンガポール航空との違い

――キャンベルさんはもともとシンガポール航空の方ですよね。シンガポール航空とは違うScootの良さとは、どこだと考えていますか。

キャンベル: シンガポール航空はチケットの価格の中でフルサービスを提供するキャリアであるのに対して、Scootのチケットの価値は1人を目的地に運ぶことのみ。それ以外のサービス(注:機内食、機内エンターテインメント、機内Wi-Fiなど)は、お客様の目的や好みに合わせて好きなものを選ぶことができる点がメリットです。費用対価格でサービスを提供できます。

ay_scoot04.jpg 機内食や機内エンターテインメント(専用タブレットを借りて、映画、音楽などを楽しめる)はカタログを見て選び、追加注文できる。筆者も軽食セット(サンドイッチ+チョコレート+ドリンク)を食べてみたが、かなりおいしいラップサンドだった

――Scootの強みとは?

キャンベル: 価格競争力が一番です。それから、ブランドですね。私たちのユニークな姿勢を「Scootitude(スクーティテュード)」という言葉を使って表現していますが、魅力的、手間がかからない、現代的、信頼できる、フレンドリー……といった意味が込められています。楽しさもそうですし、なにより信頼性が大事です。LCCですが、Scootの安全基準などはフルサービスキャリアと同じものです(参考記事)

――シンガポール航空とScootでは、会社の雰囲気も違いますか?

キャンベル: 違いますよ。オフィスにCEOの部屋もないし。周りと比べて机がちょっと大きいだけです(笑)。スタッフ、クルー、みな平等な会社です。Scootitudeを採用基準にしています。+αで何をするか、それをスタッフが自分達で考えて決めています。

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