インタビュー
» 2015年01月29日 13時37分 UPDATE

なぜ”食+政治”?:「食べる政治」仕掛け人・増沢諒さんインタビュー (1/2)

毎月テーマに沿って「冊子+食材」というスタイルで発行している雑誌「食べる政治」をご存じだろうか。仕掛け人は、東京都知事選で家入一真さんのマニフェストを担当した増沢諒さん。「ネット+政治+食」というアプローチの意図は……?

[ふじいりょう,Business Media 誠]

 身近な食をきっかけに、政治や社会問題を考えていくという、一風変わった雑誌をご存知だろうか。2014年11月の「食べる政治」創刊号は、農業被害とジビエを特集した雑誌に、鹿肉カレーと鹿肉シチュー、ハンバーグステーキという食材がセットが付いてくるという内容。その後も「新規就農」「防災」など、月替わりのテーマに沿った雑誌+食材をセットにして販売している。

ay_taberu02.jpg 雑誌と食材がセットの「食べる政治」。2月号の食材は宮城県気仙沼のカキ&ホタテなど。3、6、12カ月の定期購読コースのほか、1回きりのお試しコースは2138円

 「食べる政治」を企画したのは、東京工業大学院生の増沢諒さん、現在26歳。これまでもネット選挙解禁や投票を促すWebサービスを仕掛けているほか、東京都知事選では家入一真さんのマニフェストを担当。ネットと政治の双方を知る数少ない存在となっている。

 1月28日より誠 Styleでは、「食べる政治」記事の転載を開始した。本記事では、増沢さんに政治に関心を持つようになったきっかけや、「食べる政治」について話を聞いた。

世の中で新しい価値を生み出すのは、政治家かビジネスかアカデミック

ay_taberu01.jpg 「食べる政治」増沢諒さん

――増沢さんは、ネット選挙解禁に向けた「One Voice Campaign」を企画したり、東京都知事選挙に立候補した家入一真さんのマニフェスト作成担当としてTwitterで政策を募って作成したり、これまでと違ったアプローチで政治と関わる活動をされています。まず、ご自身が政治に関心を持ったきっかけから教えて下さい。

増沢: なんとなく、子どもの頃から世の中を動かすことが「カッコイイ」ということを思っていたところがあったのですけれど。高校・大学の頃には、世の中で新しい価値を生み出すのは、政治家かビジネスかアカデミックだと考えていました。

――政治への漠然とした関心から、ネット選挙解禁運動の企画を手がけるようになるまでに、どのような変化があったのでしょう?

増沢: 一番大きいのは2009年の衆議院選挙ですね。大学3年生の時に「人とは違うことをやってみよう」と、地元の長野で民主党公認の国会議員の手伝いに行って、結果的に勝ったんですけれど、そのお祭り感がすごかった。同時期にiPhoneを買って「(スティーブ・)ジョブスが世の中を変えている!」となったのですけれど、それと同じように政権交代したということにも、新しいことを生み出している感覚があってワクワクしました。

――政権が代わるところを間近で見ることができたのが大きかったと。

増沢: 一方で、同世代が政治について興味がなかったり固く考えているのがイヤでした。政治って、ダイレクトに将来を考えることなのに……「もっとみんなでワクワクしながら話してもいいのに」「若い人が政治に興味を持った方がいい」と考え始めていきました。その頃には、大学を出てIT企業に就職していたので、ネットを使って面白い仕掛けができるということで、いろいろな企画を手がけました。

――その後、家入一真さんの都知事選を経て、クラウドファンディングサービス「READYFOR?」で「食べる政治」の出資を集めることに成功しました。一見すると距離のある「食べる」と「政治」をつなげる構想はどこから出てきたのでしょうか?

増沢: 都知事選の教訓として、ネットだけだと盛り上がって終わっちゃって、行動まで結びつくまでは遠かった、というのがあったのです。地に足をつけた、目に見える活動が必要だな、と思っていました。そこから1年ほど、国会議員や地方議員のお話を聞いていたのですが、「地元の特産品をアピールしたいのだけど、どうすればいいのか分からない」ということをよく言われたのです。

 やはり地方の方々は皆、その土地のことは詳しくて、話を聞きながら名産品を食べたりお酒を飲んだりすると本当にうまい。自分の身の回りでも「食」への関心が高まっているのを感じていたので、このテーマでやってみようと思いました。

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