モンゴル出身の3横綱は裕福な家庭で育ったのに、なぜ強いのか赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2015年01月27日 08時20分 公開
[臼北信行,Business Media 誠]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


 まさに「平成の大横綱」と呼ぶにふさわしい。大相撲初場所で横綱・白鵬が33回目の優勝を果たし、大鵬を抜いて歴代最多記録をマーク。1月25日の千秋楽では11度目の全勝Vを決め、自ら打ち立てた金字塔に花を添えた。

 それにしても、この白鵬を筆頭に近年の角界におけるモンゴル人旋風の勢いはとどまるところをしらない。初場所の番付では幕内42人中、外国人力士は16人。そのうちでモンゴル出身力士(2005年に日本へ帰化した旭天鵬を含む)は3横綱を含め幕内に11人もいる。実に幕内全体の約26%だ。現在1部屋につき外国人力士1人の枠があることを考えれば、この人数は驚異的である。

 仮にこの日本相撲協会の決め事が撤廃され、各部屋の外国人力士の所属枠が無制限となったら、おそらく大半の人が「日本人力士は、どれだけ幕内に残れるのだろうか」と不安を抱くであろう。1992年に元関脇・旭天鵬、元小結・旭鷲山らの先駆者たちが来日して以来、いまやモンゴル人力士が土俵を席巻していると言い切っていい。

 一体、彼らの強さの秘密は何なのだろうか。「モンゴル人はみんなハングリー。彼らのほとんどが何が何でも強くなって大金を稼ぎ、故郷で暮らす両親に楽をさせてやろうという思いで入門してくる。稽古もまじめにやって、どうやったら早く上に行けるかと必死にいろいろ研究したりもするし、とにかくモンゴル人力士たちはあらゆることに熱心なんです。

 対して日本人は何不自由ない環境で育ってきて恵まれている者が大半だから、そこを比べると彼らとはどうしても差が出てしまう」とは某親方のモンゴル人力士評である。

大相撲初場所で横綱・白鵬が33回目の優勝を果たし、大鵬を抜いて歴代最多記録をマーク(出典:白鵬オフィシャルブログ)
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