ユニクロとZARAの違いは? そして世界トップ企業の特徴巨大アパレルの強さ(前編)(2/4 ページ)

» 2015年01月22日 13時20分 公開
[ふじいりょう,Business Media 誠]

ユニクロとZARAの違い

ベーシックが特徴のユニクロ(出典:ファーストリテイリング)

――そんな中、製造小売業(SPA)という業態が台頭してきていますが、同業他社との比較でユニクロとZARAの違いを一言でいうならばどういったことになるのでしょうか?

齊藤: 多くの伝統的なアパレル企業が、とにかくヒット商品を生まなければならないという考えからどっちつかずの戦略になっている中、ユニクロはベーシック、ZARAはトレンドファッションにフォーカスしていて、戦略が非常に明確です。割りきって考えれば、中に着る無地のモノはユニクロ、トレンドのアイテムはZARAがあればどこに行っても生活できる。それくらいファッションのポートフォリオを上手に埋めていますよね。

――扱っているアイテムが違うということは、両者は競合というよりも共存しているということになるのでしょうか?

齊藤: 今、全身をトレンドファッションで固めている人は少なくなっていて、トレンド性のあるものとベーシックなモノを組み合わせて消費している。DCブランドが台頭しているころは同じブランドで上から下まで着ているということがあったかもしれませんが、今そんなことをすると「痛い」と言われてしまいます。そんな中で、ZARAはトレンド、ユニクロはベーシックと違いが明確ですので、ファッションマーケットの中で共存できているブランドだと思います。

――それでは、ZARAの特徴を聞かせてください。ZARAはスペインに本社があるインデテックスのブランドで、2013年度の売り上げは約2兆1000万円で世界1位です。その中でも齊藤さんは「売れなかった商品情報を重視する」「中心サイズの抜けた商品を売り場が撤去する」といった考え方や発想を重要視されている印象があります。

齊藤: ファッションの場合、パリやミラノなどを頂点としたコレクションのトレンドがあって、そこをベースに世界中のアパレル企業が新しい商品を生み出していくという流れがあります。しかし、一方でメディアを介して女優や人気モデル、読者モデルといった人々が生み出すトレンドもあります。そういったモノを合わせて考えて、仮説を立ててまず店頭に並べる。

 その品ぞろえに対するお客さんの反応を見て、店頭は常に人気の商品で満たされているように工夫をしています。そうすることで、値下げをしてバーゲンセールをしなくても済むようにマネジメントをしていることがZARAの特徴の1つです。

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