サッカー・アギーレ監督を解任すれば、どんな“二次災害”が待っているのか赤坂8丁目発 スポーツ246(2/5 ページ)

» 2015年01月22日 08時00分 公開
[臼北信行,Business Media 誠]

日本代表のイメージダウン

 まず不正があったとされる試合は2011年5月21日のスペイン1部リーグ最終節でアギーレ監督が当時率いていたサラゴサがレバンテを2-1で下し、1部残留を決めた試合である。サラゴサ幹部や両チームの選手ら41人が関与を疑われており、サラゴサの用意した合計96万5000ユーロ(約1億3100万円)がアギーレ監督らの銀行口座を経てレバンテの選手たちに支払われたと取り沙汰されている。

 JFAの幹部に対して、アギーレ監督は「全くしていない。プロのサッカー指導者として一切やっていない」と弁明しているものの、日本代表が勝ち進むアジアカップでの戦いぶりとは対照的に事態は指揮官にとってますます悪い方向へと傾いている。検察の告発が受理されて裁判所からは2月にも出頭が求められることが濃厚となり、選手視察など代表監督の職務に支障をきたす可能性も出てきた。

 6月からは2018年にロシアで行われるFIFAワールドカップ・アジア予選も始まる。今後の捜査の展開次第では、同予選に臨む日本代表にも悪影響を及ぼしかねない。「さらに嫌疑が固まって起訴されることになれば、判決が出るまで1年から2年はかかる。もし有罪が確定した場合は、半年から1年の懲役となるだろう」との見解も出ている。こうした経緯から日本の各メディアは「アジアカップ終了後にアギーレ監督を解任か」と一斉に報じ、後任候補者の具体名まで挙げ始めているほどだ。

 アギーレ監督への風当たりが強まっているのは、周囲を見渡せば明白。水面下を見渡してみると、日本代表のオフィシャルスポンサーを務める企業からのブーイングがかなり強まっているようだ。

 シロかクロかの結論が出るまで、アギーレ監督はその間ずっと疑念の目にさらされ続けることになる。指揮官の不透明な状況が長期化することで「八百長疑惑」の印象が延々とまとわり付くことになり、ひいては日本代表チーム全体のイメージダウンにもつながってくる恐れも考えなければならない。そうなると、これは日本代表をサポートするスポンサー企業にとっては看過することができない大きな問題にもつながってくる。

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