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» 2015年01月20日 08時00分 UPDATE

「本格ドリップコーヒーが1杯19円」バナーでおなじみ:コーヒー通販のブルックス、なぜ原宿にコンセプトショップを開いたのか? (1/2)

コーヒーや茶類の通販でビジネスを伸ばしてきたブルックスが海外シフトを推し進めている。外国人向けにグローバルECサイトを作って販促を強化したり、“多言語対応”のショップをオープンしたりと、この数年間で目まぐるしく動いているのだ。

[伏見学,Business Media 誠]

 「本格ドリップコーヒーが1杯19円」。こんなキャッチコピーが躍る広告を目にしたことがある人も多いだろう。

 この会社は今から47年前、小さなお茶屋として商いをスタートさせた。その後、茶類やコーヒーの通信販売で事業成長を遂げ、今やフィールドを海外に広げつつある――。横浜市の閑静な住宅街の一角に本社を構えるブルックスグループだ。

 ブルックスは、コーヒーのドリップパック通販の先駆けとして、主に40代〜60代の主婦層をターゲットに売り上げを伸ばしてきた。現在の会員数は約700万人に上る。

 長らく国内向けビジネスが中心だったが、海外での“和食ブーム”などもあり、次第に国外の消費者からの問い合わせが増えてきた。特に多かったのは、やはり日本茶商品の購入を求める外国人だったが、一方で、慣れ親しんだドリップパックを海外でも購入したいという日本人駐在員からの問い合わせも増えていたという。

海外向けのECサイト 海外向けのECサイト

 こうした顧客ニーズに加え、人口減少による今後の国内需要の先細りなどを見据えて、ブルックスは海外市場に打って出る好機ととらえた。そこで2008年に海外向けのグローバルECサイトを立ち上げて、海外への商品発送を開始したのである。関税面などで比較的ハードルの低い香港を皮切りに、アジア、オセアニア、ヨーロッパと、現在は20カ国以上に対象を広げている。ECサイトは英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語、フランス語に対応する。

 しかし当初は苦戦。日本ではブルックスのドリップバックは認知があるものの、海外、しかもオンラインのみでの販売ということで、どうやって露出を増やし、海外の消費者に知ってもらうかが課題だった。そこで、例えばアジアにおいては、中国・Alibabaグループが運営するオンラインショッピングモール「天猫Tmall」に出店したり、韓国の検索サービス「NAVER」やGoogleなどに広告出稿したりすることで、現地でよく知られるサービスの力を使ってローカルマーケットでの認知を高めていった。さらには、コーヒーの無料サンプルを郵送するといったユニークなキャンペーンを実施して話題も作っていった。

 また、3年ほど前からECサイトに決済サービス「PayPal」を導入した。PayPalの特徴は、ユーザーが商品などを購入する際、PayPalが売り手の代わりに代金を受け取ることで、利用者はクレジットカード情報などを売り手に伝えないで済むことだ。この安全性などが買われて、全世界で1億人以上が利用している。加盟するオンラインショップは900万店を超える。

 ブルックスではPayPalを導入したことで、海外顧客、特にPayPalのユーザーが多いヨーロッパやオセアニアからの購入頻度が明らかに高まったようだ。「顧客単価は一人当たり1万円を超えることが多い。こうした高額決済にもかかわらず、決済システムの信頼が高いので、どんどん買ってくれるようになった」と海外EC担当者は強調する。

 こうした取り組みによって、今では海外に約5万人の会員を抱え、アジアを中心に売り上げが堅調に推移しているという。

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