土肥: 今回の取材前に、ミスドとセブンのドーナツを食べ比べてみました。どちらがおいしいというコメントは控えさせていただいて、気になったことがひとつ。形がよく似たドーナツの味を比べたところ、3種類ともセブンよりもミスドのほうが“甘かった”こと。
ミスドは長年、ドーナツの販売に携わってきたので、味には自信を持っているはず。多くの日本人にとって「ドーナツ=ミスド」という公式ができあがっているので、セブンはどうしても特徴を出していかなければいけない。なので、甘さを強くしているのかなあと思ったら、意外にも甘さは控え目でした。
鈴木: ドイさんがご指摘されたように、味覚センサーの数値をみると、3種類ともセブンよりもミスドのドーナツのほうが「甘い」ですね。
土肥: やっぱり。
鈴木: 甘味の数値差をみると、すべて0.2以上ありますね。0.2以上あるということは、95%の人が「セブンよりもミスドのドーナツのほうが甘い」と認識できるんですよ。
このことから何が言えるかというと、セブンのドーナツは「大人向け」を狙っているのではないでしょうか。ドーナツを開発するときに「既存のドーナツとは違う味にしよう」という話になって、「じゃあ、甘さを控え目にして、大人の人たちに食べていただこう」といった戦略がうかがえますね。
特に、ミスドの「ダブルチョコレート」とセブンの「ダブルチョコドーナツ」に特徴が出ていますね。甘味の数値をみると、ミスド3.70に対し、セブン3.47。
土肥: 差は0.23ですよ。それよりもミスドの「ポン・デ・リング」は4.05、セブンの「もちもちスイートリングドーナツ」は3.71。その差は0.34もありますよ。
鈴木: 甘味だけでなく、苦味にも注目してください。ミスドの「ダブルチョコレート」は1.14ですが、セブンの「ダブルチョコドーナツ」は1.77。その差は0.63もあります。セブンのダブルチョコは食べて「にがい!」と感じるレベルではありませんが、「ちょっとビター感があるな」という印象を持たれる人が多いでしょうね。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング